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NECネクサソリューションズ Linuxビジネスで中堅・中小向けを拡大 今年度40億円の売り上げ見込む

2004/09/20 21:09

週刊BCN 2004年09月20日vol.1056掲載

 NECネクサソリューションズ(松本秀雄社長)は、Linux事業の拡大を進める。同社の主要顧客ターゲットである中堅・中小企業においてLinuxの普及が進んでいないため、逆にビジネスチャンスにつながると判断した。LinuxOSを搭載したアプライアンスサーバーの拡販などを通じて、今年度(2005年3月期)はLinux関連ビジネスで前年度比2倍強の40億円の売上高を目指す。

 昨年度(04年3月期)実績で、NEC本体のPCサーバーの出荷台数のうちLinuxOSを搭載した比率は全体の約12%。これに対して中堅・中小企業を主な顧客ターゲットとしているNECネクサソリューションズの同比率は4%ほどにとどまっている。

 NECネクサソリューションズでは、LinuxOSの搭載比率が依然として低い水準であることから、「顧客への提案方法を変えることで成長分野に転換する」(深野幸男・ビジネスソリューションSI事業部プラットフォームシステム技術部長)とし、中堅・中小向けのLinux関連ビジネスの拡大に力を入れる。

 NEC本体の主要ターゲットである、情報システム部門など専門人員を持つ大手企業では、ソフトの使用料が発生しないLinuxを搭載したシステムを導入し、コストダウンに結びつける動きが活発化している。だが、こうした専門部門がない中堅・中小企業では、情報システムに対する専門知識も十分ではないため、「顧客側からOSを指定するケースはほとんどない」(同)と、同市場におけるLinuxOSの普及促進の難しさを指摘する。

 この課題を解決するため、用途を特化させたアプライアンスサーバーにLinuxOSの搭載を進める。汎用的なサーバーでLinuxOSを使うケースでは、Linuxに関する専門的な知識が必要で、中堅・中小企業での普及は難しいケースが多い。これに対して、ファイルサーバーやセキュリティサーバーなど用途を特化したアプライアンスサーバーでは、複雑な操作をしなくて済み、簡単な導入作業だけで活用できる。

 現在はホームページや電子メールといったインターネット/イントラネット系のアプライアンスサーバーを今年4月から製品化しているが、今年度下期(04年10月-05年3月)から来年度(06年3月期)にかけて、「さらに多様なアプリケーションを搭載したLinuxアプライアンスサーバー」(同)の製品化に向けて、Linux対応のアプリケーションを開発しているソフトベンダーとの商談を進めている。

 Linuxを搭載したアプライアンスサーバーを用途ごとにシリーズ化するなど品揃えを拡充する。ウィンドウズなどのOSを搭載した場合と比較して販売価格が割安になるという。同時に自社で開発したアプライアンスサーバーは粗利率も高い。

 また、NEC本体に設置されているLinux推進センターとの連携も強化する。これらの普及促進策を打つことで来年度におけるLinux関連ビジネスの売上高は、今年度比25%増の50億円を見込む。
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