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アップデートテクノロジー パッチ管理ソフトをバージョンアップ 大規模ユーザーも導入容易に

2004/07/05 21:03

週刊BCN 2004年07月05日vol.1046掲載

 アップデートテクノロジー(板東直樹社長)は、ウィンドウズのセキュリティパッチを一括配布・管理するソフト「アップデートエキスパート」の新バージョンを今夏に投入する。新バージョンでは、パッチ配信サーバーと管理サーバーを分けたことでネットワーク負荷を軽減し、大規模ユーザーでも容易に導入できるようにした。新バージョンリリースと同時に、どのパッチを適用しなければならないかなどの情報提供サービスをパートナーが付加した形で提供する体制も整え、他社との差別化を図っていく。

 アップデートエキスパートのバージョンアップは約1年半ぶり。セキュリティパッチの一括配布管理ソフトは、昨年8月に発生した「MSブラスター」の蔓延で「ようやく実需につながってきた」(板東社長)状況だ。アップデートエキスパートは、一般企業に加え、官公庁や教育機関など幅広い分野に導入実績を持ち、特に最近では、クライアントパソコンの数が「万単位のユーザーからの引き合いが多くなっている」(同)。これまでは規模が大きくても最大で8000クライアント程度であったという。

 新バージョンでは、大規模ユーザーへの引き合いが増えていることに対応するため、セキュリティパッチの配信サーバーと各クライアントパソコンを管理するサーバーを分けた。これにより、ネットワーク負荷の分散を図り、1度に600-1000台のクライアントに一括配布することを可能にした。

 現行バージョンでは、アップデートエキスパートをインストールしたサーバーで、最大300台のクライアントパソコンまでにしか対応できなかった。「1度に300台以上のクライアントに一括配布すると、ネットワークの帯域幅が小さいユーザー企業ではネットワークへの負荷が大きすぎた」(永来真治・取締役営業担当)ことが理由だ。

 また、機能強化に加え、新バージョンリリースのタイミングで、パートナーとの協業体制も強化する。板東社長は、セキュリティパッチの一括配信・管理機能で最大の問題は、「どのパッチを当てればよいのかシステム管理者が判断できないこと」と指摘、「パッチに関する情報を的確に収集できていないことが管理者を悩ませている」と話す。

 このため、アップデートテクノロジーでは、パッチの情報を独自に分析した情報を付加して、販売できる枠組みをパートナーとともに確立。各パートナーがエンドユーザーに対し、セキュリティパッチに関する情報を分かりやすく提供できるようにした。
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