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MEAジャパン 企業向けモバイル普及で新団体設立へ ボーダーフォンなど6社が準備委
2004/03/29 20:24
週刊BCN 2004年03月29日vol.1033掲載
準備委は、MEAのグローバル会員であるボーダフォン、シトリックス・システムズ・ジャパンのほか、日本通信、ネットワールド、住商エレクトロニクス、兼松コミュニケーションズの6社で構成。ボーダフォンは英国本社を中心としてワールドワイドで参画。日本組織の立ち上げを提唱したシトリックス・システム・ジャパンの田中正次社長は、「会員のベンダー各社が、得意、不得意分野を補完できる企業間の協力体制を築く」と、企業向けモバイルソリューションのノウハウを持つ幅広いベンダーの参加を呼びかける。
正式発足後の活動内容は、会員ベンダー各社の製品や技術を、それぞれのソリューションと組み合わせることができる環境を整える。このため、技術検証やシステム評価、テスト、認定、検討会などを行う。各社が共同で構築したソリューションは、テンプレート(ひな形)として認定し、相互に利用する。将来的な情報システムのワイヤレス化やモバイル化の進展を見越した先導的な取り組みも実施する計画だ。セキュリティや通信コスト、アプリケーション開発などを統合的に提供できるベンダーが少ないため、日本組織では、企業の求めるモバイルソリューションを共同で構築する。
参加企業としては、幹事企業と一般企業を含めパソコンやサーバー、ネットワーク機器を持つハードウェアベンダーや、OS、ミドルウェア、データベースのソフトウェアベンダーのほか、ネットワークを構築するインターネットサービスプロバイダ、システムインテグレータなど70社を予定している。
田中社長は、「企業のIT環境におけるモバイルニーズは高まる一方で、大変有望な市場だ。将来的には異機種間のパフォーマンステストを行う検証施設の設置なども必要になるだろう」という。
ただ、「競合するベンダーが複数加入すると、機密情報にあたる技術や性能の比較はできない」(大手システムインテグレータ)という心配もあり、70社が集まるかどうか不透明、とする見方もある。これに対し、田中社長は「日本組織は、業界を盛り上げるために存在させる中立的な位置づけで、各社の戦略を変更させるものではない」と、理解を求めていく。準備委は9月末までに、技術者セミナーやモバイルソリューションの説明会などを頻繁に開き、会員を増やしていく方針だ。
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