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三井物産 SSL─VPNの運用サービスを開始 通信事業者などに販売
2004/03/29 20:24
週刊BCN 2004年03月29日vol.1033掲載
SSL─VPNとは、従来VPN(仮想私設網)製品に広く使われているプロトコルのIPsecではなく、SSL(セキュアソケットレイヤ)を使って構築したVPNを指す。専用クライアントを必要とせず、安全なリモートアクセスが実現でき、使い勝手が良いという利点がある。専用線を使わずに出先から基幹システムなどの社内システムにアクセスでき、回線コストを大幅に削減できる。
SSLは、暗号化して送受信するプロトコルの1つで、WWWやFTPなどのデータを暗号化し、クレジットカード番号や企業秘密などを安全に送受信することが可能だ。
三井物産は、昨年8月に米アベンテイルと国内の販売代理店契約を結び、SSL─VPN市場に参入。現在米アベンテイルの国内販売パートナーは三井物産とネットワーク構築事業などのテクマトリックスの2社のみ。
まずはSSL─VPN機能を提供するアプライアンスの販売を開始した。対応プラットフォームが多く、ウィンドウズに加えマックOS、Linuxなどに対応していることや、HTTP以外のプロトコルにも対応していることがアベンテイル製品の特徴だ。
今回、SSL─VPNマネージドサービスの販売にも踏み切り、物販だけでなくサービスビジネスを開始したことで、需要拡大が見込まれているSSL─VPN市場において、国内のエンドユーザーおよびパートナーからの要望に応えていく。
具体的には、サービスプロバイダがSSL─VPNサービスを提供できるように、SSL─VPNサービスシステムの設計からサービス開始までの技術支援などを提供していく。
大手通信事業者やデータセンターを活用したシステムの運用保守サービスを手がけるシステムインテグレータを中心に拡販を図る考えだ。
野村一洋・情報産業本部ITサービス事業部セキュリティビジネス室長は、「セキュリティニーズはユーザー企業の規模を問わず、自社で構築するニーズよりもアウトソーシングする需要が高まっていく」と予想しており、「運用サービスをセキュリティビジネスのカギとしていく」と話す。
また、「SSL─VPNを安定稼動するためにはさまざまな知識やノウハウ、運用体制が必要なため、需要はさらに高い」(野村室長)と意気込みを見せている。
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