ニュース

IDSシェアー・ジャパン パートナー増やしBPM拡販に乗り出す 顧客企業250社の獲得を狙う

2004/03/29 20:24

週刊BCN 2004年03月29日vol.1033掲載

 BPM(ビジネスプロセスマネジメント)ソフトベンダーのIDSシェアー・ジャパン(力正俊社長)は、主力製品のBPMソフト「アリス」の拡販を狙いに販売パートナーの拡充を図る。現在、10社程度のパートナーに、近くさらに5社を加える。1998年度(98年12月期)から03年度までは、ターゲットとする製造業約200社にアリスのベータ版を無償で配布し、これまでに30社が顧客になっている。今年度中に、顧客企業を約250社まで引き上げる計画。それにともない売上高も、数値は公表していないものの「03年度の30%増」(力社長)となる見込みだ。

 IDSシェアー・ジャパンは、BPMソフトを開発する独IDSシェアーAGの日本法人として98年に設立。主力製品であるアリスの拡販に力を入れている。昨年度までは、「BPMを日本市場に広める」(力社長)ことに集中してきたが、アリスのベータ版を約200社に無償で配布、そのうち30社を顧客企業として獲得した。今年度は、無償配布した残りの170社を顧客企業として獲得することを目指し、さらに50社程度を新規開拓する。

 大手ハードメーカーや通信事業者の販売ルートを確保し、販売パートナー数は約10社となっている。「ここ2か月以内に15社まで増やす」方針だ。パートナーのなかには、アリスを専門に販売する営業担当者を配置した企業もある。力社長は、「パートナーのハード製品と当社のアリスを組み合わせ、どんな最適ソリューションを提供できるかを検証するための、検証センター設置を検討するパートナーも出てきた」という。「当社としては、(社数が増える)パートナーの営業担当者をスキルアップさせる環境を整える」と、教育プログラムの充実を図ることにより、パートナーとの連携を強化する。これにより「2010年までにアリスをBPMの標準ツールとして浸透させる」としている。

 最近では、「BPMツールを販売する企業が増え、市場が混戦状態にある」のも事実。シェア拡大のための差別化については、「競合他社は、全社システムのソリューションをベースとして、その1つとしてBPMツールを提供しているケースが多い。しかし、アリスはユーザーが導入している既存の企業情報システムとの互換性が高く、既存システム上で稼動できる」のが特徴という。加えて、「当社では、コンサルティングを行える人材が揃っている」ことを強みとして挙げる。
 売上高は98年の設立以来、年率10%前後で拡大してきた。今年度は、アリスの拡販を見込み、前年度比30%増を目指す。
  • 1