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OSIプラス 特許業務用向けグループウェア製品化 中堅企業への拡販に加えOEM提供も

2004/03/15 20:24

週刊BCN 2004年03月15日vol.1031掲載

 KDDI子会社のオーエスアイ・プラス(OSIプラス、飯作俊一社長)は、特許業務支援のウェブ版グループウェア「ストリームパット」を製品化し、知的財産権戦略を強化する中堅企業に販売を開始した。新製品や新技術開発を行う企業では、特許出願や権利取得をはじめ、特許リサーチも重要な業務の1つになる。膨大な特許調査を効率化するのが今回の新製品。同社は、「特許ビジネスで初年度(2005年3月期)約5000万円、次年度(06年3月期)は1億円の売り上げを見込む」(今林淳・営業部長)としている。また、グループウェアの販売だけでなく、システムをソフト会社にOEM(相手先ブランドによる生産)提供することも検討している。

 ストリームパットは、日々の新着特許から必要とする特許を抽出、評価し、それをもとに社内で対応を検討して、決裁するまでの業務フローをウェブ上で完結できるのが特徴。

 同社は3年前から、特許庁の公報データをネットワーク経由で転送するサービス「キスパット」を行っている。導入企業は製造業を中心に約150社に及んでおり、「顧客から業務処理を簡略化して欲しい」(今林部長)という要望が強いことから、補完する製品としてストリームパットを開発した。

 キスパットのように、ウェブ上で情報をクリッピングするサービスや専用ソフトで電子的に閲覧する製品は多い。だが、ネット上で検索したにも関わらず、社内処理では紙に印刷して、知的財産関係の部署で回覧するケースが多い。

 「大企業は独自に知財関係の業務フローをシステム化している。だが、成長中の企業はその点が欠落し、重要な特許を見落としたり、自社の有力特許を侵害され、対応が後手に回る例が少なくない」(今林部長)と、中堅企業の知的財産保護も視野に販売を強化する。

 販売は、同社のパートナーであるAI(人工知能)技術ソフト開発のアドイン研究所(佐々木浩二社長)が行う。

 OSIプラスでは、ストリームパットが中堅企業向けの製品であるため、将来的には、業務フローを効率化するグループウェアを持つソフト会社にOEM提供することや、中堅企業で評判が良ければ、大企業向けにもカスタマイズして販売することを検討中だ。

 初年度は特許ビジネス全体で約5000万円、次年度は約1億円の売上高を見込んでいる。
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