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NEC 企業向けパソコンで販売店のウェブ活用促進へ パートナーの利用拡大呼びかけ

2004/03/08 20:24

週刊BCN 2004年03月08日vol.1030掲載

 NEC(金杉明信社長)は、企業向けパソコンのウェブ販売について、来年度(2005年3月期)から販売店への活用促進をさらに進めていく。NECでは外資系メーカーと異なり、ウェブ販売もパートナー経由で実施している。そのため、これまではウェブ販売の比率が低い傾向にあったが、「販売店としても従来型の訪問販売スタイルだけでパソコンを販売するには限界がある。効率良くパソコンを販売できる手段として、ウェブ販売の頻度を高めてもらいたい」(田中重穂・パートナービジネス営業事業本部ビジネスPC事業部長)と、販売店へのウェブ活用を呼びかける。

 企業ユーザーを対象としたウェブ販売では、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)、デル、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)など外資系企業が販売台数を伸ばしている。

 こうした外資系メーカーに対しNECでは、ウェブを活用したパソコン販売についても、中小企業向けはパートナー経由で実施している。

「ウェブ販売のウエイトを高めるためには、パートナーのウェブ活用を促進する必要がある。しかし、他社に比べるとウェブ活用のスピードが遅いという声もあった。他社のウェブ販売が伸びており、パソコン販売チャネルが多様化しているなか、販売店でも従来型の訪問販売スタイルだけでなく、ウェブを活用していかなければならない時代になった」(田中事業部長)と、市場の変化をとらえている。

 ただ、パートナー経由でのウェブ販売拡大には、そのための体制作りも必要。これまでにも、①パートナーが活用できるウェブサイト「グッド・カスタマー・ベース(GCB)」を提供し、これをベースとしたパートナー独自のウェブサイトの構築、②企業向けパソコンは、BTO(注文生産)方式で単価がわかりにくいという指摘から、インパクトのある価格でユーザーにアピールする「Jシリーズ」を販売開始──などの施策を打ってきた。

 来年度はこれらの施策に加え、販売店に対して、ウェブ販売の重要性を販売店会議などで訴えていく計画だ。

「販売店のウェブ販売を増やすために、GCBのような仕組みを作ったというアピールをして成功した販売店もあるが、ただ仕組みを作っただけでは販売店に採用してもらうのは難しい。来年度は、販売店がウェブ販売を始める動機づけを強化し、ウェブ販売の促進を進めたい」としている。

 販売店側をウェブ販売強化に仕向ける方策については、「現在検討している段階」だという。

 一方、企業向けパソコン事業の強化策として、標準保証期間を3年に拡大することや、昨年12月から開始したPCカスタマイズサービスについて、今年度第4四半期(04年1─3月)からアプリケーションのインストールサービスなど4つのサービスメニューの追加──などを実施している。

「特にカスタマイズサービスは、ウェブ販売に限らず、企業ユーザーにとってメーカー選択のカギとして重要になる。今後、さらにサービスメニューを増やし、NECを選択すると

“このメニューが利用できる”という目玉としたい」という。

 ウェブについては、紙の販促資料とともに重要な情報伝達媒体という活用方法もあり、販売店にウェブサイトの増強を呼びかけていく方針だ。
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