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ボーランド UML統合の低価格開発ツール発表 3月に日本で先行発売
2004/03/08 20:24
週刊BCN 2004年03月08日vol.1030掲載
日本で先行発売されるのは、従来のコード指向とモデル指向の開発を適宜使い分けられるUMLモデリングツール「Borland Together Edition for JBuilder X Developer日本語版」。これは、同社独自の技術でUMLのモデル図とJavaコードをリアルタイムに同期することができる製品だ。
さらに、大規模で複雑化するJ2EE開発プロジェクトを支援する統合開発環境ソリューション「Borland Enterprise Studio 7 for Java日本語版」もリリースした。レガシー環境を生かし開発環境を効率よく統合する手法として同社が提唱する「アプリケーションライフサイクルマネジメント(ALM)」を実現する初のツール。「J2EE開発の各段階を管理することが容易になる」(小手川社長)という。
開発環境でUMLとJavaの統合は、J2EEなど大規模なシステム開発で日常的に使用されるプロセスとなっている。ただ、これまでのUMLモデリングツールは高価で、小・中規模システム開発に使用されることは少なかった。
そこで同社は、既存のJava開発ツールであるJBuilderにUMLモデリングツールを統合し、「すべてのJava開発者にUML+Javaの環境を手に届く価格で提供する」(米ボーランドソフトウェアコーポレーションのデール・L・フラー会長兼CEO=写真)という戦略を打ち出した。世界に先駆け日本市場に新製品を投入した理由は、「日本の開発者は洗練され、世界のどこよりアウトプットするシステムを低価格で良質に提供することが求められている」(フラー会長兼CEO)と、レガシー環境の統合に頭を悩ます日本市場で攻勢に出る考えだ。
ボーランドの世界的な売上高は、2002年度(03年3月期)が2億4460万ドルで、03年度も10%程度の増加を見込んでいる。このうち日本市場は1割程度を占める。フラー会長兼CEOは、「日本のシステムインテグレータは成熟しているし、パートナー関係を強化することで市場が拡大する」と、日本市場の04年度は5%程度の売上増が見込めるとしている。
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