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三菱電機 表裏両面から見えるリバーシブルLCD開発

2004/02/23 20:21

週刊BCN 2004年02月23日vol.1028掲載

 三菱電機(野間口有社長)は、1枚の液晶ガラスパネルを透明バックライトで挟み込むことで高コントラスト画像を表裏両面に表示できる世界初のLCDモジュール「リバーシブルLCD」を開発した。現在2枚のLCD使用が主流となっている携帯電話のコストや重量が削減できるほか、今後はPDA(携帯情報端末)など新たな用途開発も進める計画だ。

 リバーシブルLCDの最大の技術的特徴は、液晶ガラスパネルを挟む透明バックライトにある。LED光源からの光を金属蒸着でミラーコートしたライトガイドを通じ均一に広げ、バックライト本体である透明反射プリズム付き導光板を発光させる。非点灯時は透明であるため、点灯をコントロールすることで表面あるいは裏面のみ、両面表示の切り替えが可能になる。両面表示は有機ELで可能なものもあるが、常時両面表示となるため、プライバシーやセキュリティ上の問題もあった。

 また、120ヘルツのサイクルで駆動できる高速LCDも開発。人間の目が滑らかな動画と認識するのは60ヘルツ以上であるため、表裏両面に別々の動画像を滑らかに表示することも可能となっている。

 2枚のLCDを使用するのに比べ、重量はもちろん、コストも8分の5程度に削減できることから、当面は携帯電話向けモジュールとしての商品化を進める。さらにコスト面のメリットはノートパソコンサイズまで期待できるため、1対1のプレゼンテーションツールとしての活用など、独自機能の開発を継続する方針。
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