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トレンドマイクロ 統合アプライアンスを小規模オフィス向けに 米ネットスクリーンと共同開発

2004/01/26 20:19

週刊BCN 2004年01月26日vol.1024掲載

 トレンドマイクロ(スティーブ・チャン社長兼CEO)は、小規模オフィス向けのセキュリティ製品として、ウイルス機能に加えファイアウォールやVPN(仮想私設網)の機能も加えたアプライアンス(使いやすさに主眼を置き機能を最適化した専用装置)「Trend Micro GateLock Remote Appliance」を2月16日から発売する。米ネットスクリーン・テクノロジーズ(カリフォルニア州)との提携により開発。ハードウェア技術を持たないトレンドマイクロが日本国内でアプライアンス製品を提供するのは、昨年6月に発売したノキアとの共同開発製品以来2度目となる。

 同製品のターゲットは、専任のシステム管理者がいない大企業の支社・支店、そして中小企業およびSOHOなどの小規模オフィス。トレンドマイクロがハードウェア製品を提供するのは、昨年6月に発売したノキアとの共同開発製品以来、今回が2度目となる。

 スティーブ・チャン社長兼CEOは、「ソフトウェアだけに比べて、容易に導入できるのがアプライアンスの利点。また、ウイルス対策だけでなく、ファイアウォール、VPNの機能を持ったオールインワン型とすることで、ITスキルがないユーザーにも導入できる」と、今回の提携によるアプライアンス製品戦略を説明する。

 調査会社IDCの調べによると、世界のファイアウォール・VPNアプライアンス市場は、2001年から06年までの年平均成長率は24%で、06年には約38億ドル規模にまで成長すると見ており、同社では「そのなかでもとくにニーズが高い」(チャン社長兼CEO)小規模オフィス向けに価格を抑えて拡販を目指す。

 アプライアンス製品は、使いやすさに主眼を置き、機能を最適化した専用装置のことで、家庭用ゲーム機やウェブ閲覧・メール送受信専用端末などがある。

 「GateLock」は、米ネットスクリーン・テクノロジーズとの共同開発で、トレンドマイクロのウイルス対策技術とネットスクリーンのハードウェアベースのファイアウォール・VPN技術を組み合わせたアプライアンス。本社などの拠点側に設置された機器経由で、セキュリティポリシーのコントロールなどの管理も容易になる。このため、中小企業やSOHOだけでなく、大企業の支社・支店レベルへの拡販も視野に入れている。今後も両社で、URLフィルタリング機能についても製品上に乗せていく予定にしている。

 販売は、両社それぞれのチャネルで行う。ネットスクリーンでは製品名称を「NetScreen 5GT」として、既存の販売代理店網を活用し拡販を図る。トレンドマイクロでは既存のパートナーを中心に考えているが、新規パートナーの追加も計画。なお、トレンドマイクロは、「5GT」と同様の機能を持つハイエンドモデル(価格14万8000円)とローエンドモデル(9万2000円)の2モデルを用意している。
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