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日本ビジネスコンピューター SI事業を再編 中国でのソフト開発体制を強化

2004/01/12 20:19

週刊BCN 2004年01月12日vol.1022掲載

 日本ビジネスコンピューター(JBCC、石黒和義社長)は、システムインテグレーション(SI)事業を再編する。分散していた業務アプリケーションソフトを整理・統合し、今年4月をめどに「エンタープライズビジョン」(仮称)として、体系づけた業務システムに組み替える。再編にあたって、中国・大連のソフト開発子会社の体制を強化し、低コストで収益性の高い業務アプリケーションソフトを開発する。

 「エンタープライズビジョン」は、同社のCRM(顧客情報管理)ツール「カスタマービジョン」や、財務会計、生産管理などの業務アプリケーションソフトを体系的に統合したソリューションとして、創業40周年にあたる2004年4月をめどに提供開始する。

 今年度(04年3月期)は、財務会計、給与、生産管理などを対象とし、来年度(05年3月期)は販売管理や人事システムをエンタープライズビジョンに統合する。また、これら基幹系システムに加えて、CRMのカスタマービジョンや、JBCCが得意とするプリンティング分野などのアプリケーションソフトもエンタープライズビジョンの体系の中に組み込んでいく。

 新ソリューションは、基本的に自社のオリジナル業務アプリケーションソフトをベースとする。そのため、ソフトウェアの開発体制の強化が重要になる。JBCCでは、中国・大連のソフト開発子会社ジェイ・ビー・ディー・ケー(JBDK、市川国昭社長)の開発体制を強化することで、開発コストの削減と生産性の向上を図る。JBDKは、中国のソフト開発会社・大連海輝科技(DMK、李遠明社長)との合弁企業で、98年に設立した。JBCCが60%、DMKが40%を出資している。

 まず、昨年度(03年3月期)まで赤字が続いていたJBDKの事業を大幅に見直し、今年度(04年3月期)は黒字転換を図る。人員も45人から25人に削減した。これにともない、今年度の売上目標も、昨年度実績の約5億円から3億5000万円まで減少する。JBCCが発注するソフト開発は、JBDKを通じて、DMKが担当する。

 JBCC本体から発注する仕事の内容も変える。これまで、C++やJava言語などオープン系の開発が中心だったが、今後は、JBCC本体が得意とするIBMのiシリーズ(旧AS/400)のアプリケーションソフトの仕事が中心となる。すでにJBCCが独自に開発してiシリーズ上で動作する生産管理システム「e-製造」の追加ソフトの開発をJBDKに発注した。同社のシステムインテグレーション事業の約6割は、iシリーズをプラットフォームとしている。

 JBCCの市川国昭・SI事業部執行役員事業部長兼JBDK社長は、「新しいソリューション体系であるエンタープライズビジョンは、基本的にオリジナルの業務アプリケーションを基盤とする。中国での低コスト、高生産性の開発体制の整備を進めることで、より競争力の高いソリューション体系を組み上げる」と話す。

 JBCCオリジナルのソリューション体系を組み上げ、開発コストの削減と生産性の向上を図ることで、他社との差別化を進め、システムインテグレーション事業の収益性を高めていく考えだ。
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