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日本ユニシスとマイクロソフト 金融向けの勘定系システム構築 共同プロジェクトで合意

2003/12/08 19:39

週刊BCN 2003年12月08日vol.1018掲載

 日本ユニシス(島田精一社長)とマイクロソフト(マイケル・ローディング社長)は、「ウィンドウズサーバーデータセンター・エディション」と「ウィンドウズサーバーシステム」をベースとしたオープン・ミッションクリティカル・システムの構築で共同プロジェクトを開始する。第1弾として、三重県津市に本店を置き東海3県をテリトリーとする百五銀行(前田肇頭取)の勘定系システム構築に着手する。本格稼動開始は2007年度を予定。国内の金融機関の基幹システムにウィンドウズが採用されるのは今回が初めてとなる。

 今回のプロジェクトを行うために、日本ユニシスでは自社のオープンミドルソフトウェア「MIDMOST(ミッドモスト)」の機能拡張を実施するミッションクリティカル・システム対応の専任組織を設けた。

 一方、マイクロソフトではマーケティングやコンサルティングサービス、製品開発技術者、製品サポート技術者で構成する専任のプロジェクト組織を金融ソリューション本部内に設置しており、米国本社の同プロジェクト専任技術者チームとの連携も図っていく。

 両社共同による取り組みは、マイクロソフトの次期プラットフォームの検証を実施するとともに、SQLサーバーの次期バージョン「Yukon(開発コード名)」や、ビジュアルスタジオの次期ツール「Whidbey(開発コード名)」などの情報を共有し、日本ユニシスのシステム構築でミッションクリティカル・システムのニーズに応じた最適化を行う。

 今回の次期基幹システムは、日本ユニシスと同社の勘定系システムユーザーである百五銀行を含む地銀7行が00年に設立したコンソーシアム「S-BITSコンソーシアム」で検討を重ねたシステム案を採用。百五銀行のプロジェクトが順調に進めば、日本ユニシスにとっては、「金融機関の既存ユーザーに対し、勘定系システムのオープン化を進めていく」(島田社長)ことが可能となる。

 稼動後の運用・保守は、日本ユニシスがアウトソーシングで手がけるため、複数銀行による共同アウトソーシングビジネスに広がる可能性も出てくる。

 マイクロソフトにとっては、「メインフレームユーザーがオープン化への移行でウィンドウズを採用する」(ローディング社長)ことが最大のメリット。これが評価されれば勘定系でもウィンドウズ化を図るきっかけになる。

 銀行の勘定系システムのウィンドウズ化は、今回が日本で初めての取り組みとなる。07年に順調に稼動するかどうかについて、日本ユニシスの島田社長は、「過去20年間にわたって、金融機関に基幹システムや独自のソリューションを提供してきた実績を生かし、問題なく稼動させる」と言い切る。
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