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米国流出会い系サイト、ホットなビジネスに 友人仲介で人気沸騰
2003/12/08 19:39
週刊BCN 2003年12月08日vol.1018掲載
コミュニティサイトの代表例といえば「フレンドスター」だ。
同サイトに参加するには、まず自分自身のプロフィールを登録。プロフィールには名前、職業、興味のある事柄、年齢、現在の居住地、出身地、好きな音楽、好きな本、好きなテレビ番組などを記入する。
その後、自分の友人たちに電子メールを送り、同サイトへの登録を勧める。登録する友人の数が多いほど人気者とみなされるので、積極的に新規ユーザー開拓に努めるユーザーが多いという。
あとは友人の輪のなかから知り合いになりたい人物にメールで連絡を取るという仕組み。日本の出会い系サイトとは違い、友人が仲介者になるので安心感があるというわけだ。
同サイトはサービス開始以来、爆発的な人気で、わずか1年で150万ユーザーを抱えるまでに成長している。
あまりの人気に検索サービス最大手のグーグルが3000万ドルで買収話をもちかけている。だがフレンドスターはこれを拒否。代わりにベンチャーキャピタルからの出資を受け入れた。
一部ベンチャーキャピタルの試算によると、フレンドスターが株を公開した場合、推定時価総額は5300万ドルに達する見込みという。
男女の出会いを目的とするフレンドスターに対し、トライブ・ドット・ネットは趣味などの共通の関心事を軸にコミュニティを形成するサイト。
7月末にサービスを開始したばかりだが、テーマごとに開設されたコミュニティの数はこれまでに6900以上もあり、登録ユーザー数は4万8000人を超えるまでに急成長している。
収益源はオンライン広告と、「売ります」「買います」といった個人広告。コミュニティのテーマや属性に合った広告を掲示できるので、高い効果を期待できるという。
トライブには大手新聞持ち株会社のナイト・リッダーやワシントンポストなどが、総額630億ドルの出資を行っている。新聞社は、個人広告収入が減少傾向にあるため、新しい個人広告のあり方を模索しているようだ。
このほかコミュニティ内で就職情報を交換するリンクドインなど、消費者同士の情報発信というネットの特性を生かしたサイトが次々と立ち上がっている。ネットビジネスは、ユーザーコミュニティという新しい要素を取り入れた新形態の時代に移行しつつあるようだ。(湯川鶴章)
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