ニュース

NEC 企業向けパソコンのサポートサービス強化 カスタマイズや修理・保証サービスを充実

2003/12/08 19:39

週刊BCN 2003年12月08日vol.1018掲載

 NEC(金杉明信社長)は、企業向けパソコンのサポートサービスを強化する。一括梱包やラベル作成、ネットワーク設定など、販売店やユーザーが従来行っていた業務を有料サービス化して12月1日から提供開始した。さらにパソコンのパーツ保証期間を1年間から3年間に延長するとともに、修理専門のコールセンターを設けるなど、既存の保証サービスも強化した。商品力だけでなく、サポートサービスの充実を図ることで、ユーザーの利便性向上や販売店のビジネス支援拡大を図り、シェアアップにつなげる。

 NECが今回用意したサポートサービス強化のポイントは、①パソコンの一括梱包やラベル貼り付けなどを代行する「PCカスタマイズサービス」、②保証サービスの期間延長、③企業向けパソコンの修理専門のコールセンター新設――などの3つ。パソコン導入前後のサービスを充実させることで、他社との差別化を図りシェア拡大につなげる考え。田中重穂・パートナービジネス営業事業本部ビジネスPC事業部長(=写真)は、「海外メーカーの低価格攻勢で価格勝負の面が強調されている。だが、導入支援や保守サービスは、依然ユーザーの要望が多い部分であり、差別化要素として力を入れるべきだと考えた」と、サポートサービスの拡充の理由を明かす。

 「PCカスタマイズサービス」では、ユーザー企業のシステム管理者がパソコンを管理するためのラベル作成・貼り付けや一括梱包、ネットワーク設定やBIOS設定など合わせて13メニューを用意。12月1日からサービスを開始した。今後もラインアップを拡充する予定で、ワードやエクセルなどのアプリケーションのインストールなど、ユーザーや販売店から要望が多いサービスをメニュー化していく。販売店やユーザーに出荷する前に、メーカーであるNECが導入準備を行うことで、ユーザーの利便性向上を図るとともに、販売店の導入工数削減を支援し、販売店が売りやすい環境を提供する。

 ハードディスク(HDD)やメモリ容量をユーザーの要望に応じてカスタマイズして販売するBTO(受注生産方式)メニューはすでにあったが、ラベル貼り付けなどのカスタマイズサービスはNECにとって初めてとなる。富士通などの競合メーカーは同様のサービスを既に展開しており、後発ではあるが、「他社は大規模な台数でなければ対応していないが、当社は5台から発注できるようにした」(田中事業部長)と少量から対応することで差別化した。

 保証期間の延長では、1年間の修理サービスは従来通りだが、パーツの保証期間を1年間から3年間に延ばした。10月発表以降の新商品(Jシリーズは除く)から対応を開始。さらに、企業向けパソコン専門の修理電話窓口「NECビジネスPC修理受付センター」を新設。従来は、NECの営業担当者や販売店に直接連絡する必要があったが、専門のコールセンターを設けたことで、状態診断やアドバイスを事前に行い、修理が必要な場合は、受け付けた翌営業日に出張修理する体制も整えた。
  • 1