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マイクロソフト 400種類の新規ソフト開発を支援 .NETフレームワークの普及急ぐ

2003/11/17 19:37

週刊BCN 2003年11月17日vol.1015掲載

 マイクロソフト(マイケル・ローディング社長)は、今年度(2004年6月期)末までに、新しく400種類の.NETフレームワーク対応のアプリケーションソフトの開発支援に乗り出す。同社が主体となって開催しているパッケージアプリケーション開発企業向けコミュニティ「アプリケーション・ディベロップメント・コミュニティ2004」に参加するプログラマ400人を対象に、開発支援や販売支援を実施。これにより.NETフレームワーク対応のソフト開発の裾野拡大を狙う。

 今年6月のウィンドウズサーバー2003販売後、これまでに約500種類のサーバー2003対応のアプリケーションソフトを国内外のソフト開発会社が製品化した。

 しかし、500種類というのは「単にサーバー2003上で動作する」(マイクロソフト)ソフトも含めた数字で、マイクロソフトが次世代フレームワークとして打ち出す.NETフレームワークに対応しているとは限らない。マイクロソフトでは、こうした状況を打開し、.NETフレームワークへの対応を促すために今回、開発支援を行うことにした。

 対象になるのは.NETフレームワーク対応予定のソフト。「アプリケーション・ディベロップメント・コミュニティ2004」の参加者を中心に、今年度末までに新しく400種類のソフトを.NETフレームワーク対応ソフトとして開発支援する。

 同コミュニティは、ソフト開発を手がける企業のプログラマを対象に、今年9月に発足した。現時点の参加者は約500人。

 マイクロソフトでは、今年度末までに参加者を2000人に増やし、希望者約400人に.NETフレームワーク対応ソフトを開発してもらう。

 具体的には、プログラマとマイクロソフトの間でソフト開発に関する「覚書」を交わし、コミュニティより一歩進んだ「エンパワー・プログラム・フォー・ISV」に参加させる。ソフト開発終了後は、マイクロソフトがシステムインテグレータなどに導入を働きかけるなどの販売支援を行う。

 同コミュニティを担当するマイクロソフトの日詰廣造・ゼネラルビジネス統括本部ISVソリューション推進部長は、「コミュニティは、次世代の情報システムを支える“ウェブサービス”の普及促進母体と位置づけている。.NETフレームワーク上で動くウェブサービスを媒介として製品やビジネスを結びつけ、市場の活性化を目指す」と話す。

 今回のコミュニティは、プログラマ個人が対象で、参加を促すため来年1月からポイント制を導入する。半期に1回のカンファレンス(総会)や毎月2回開催するセミナーに参加すると、ポイントが加算される。ポイントがたまると、有料の技術セミナーへの招待などの特典がある。

 マイクロソフトでは、同コミュニティとは別に、「.NETパートナー・プログラム・フォー・ISV」など、ソフト開発会社向けの支援プログラムを打ち出している。これらパートナー向けプログラムは、来年1月に実施予定の新しいパートナープログラム「ネクストジェネレーション」(仮称)に吸収・統合される見込み。

 これに対して、同コミュニティは、「来年6月末までは継続し、その後は、見直しをしながら同コミュニティ2005などに名称を変更したうえで継続する」(日詰部長)方針だ。
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