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エス・エス・ジェイ、業務システムの保守、ライセンス収入を向上 1人あたりの売上高2000万円へ

2003/11/17 19:37

週刊BCN 2003年11月17日vol.1015掲載

 財務会計システムを中心としたソフト開発のエス・エス・ジェイ(佐藤祐次社長)はこのほど、2005年度(06年3月期)を最終年度とする中期経営計画をまとめた。06年3月期で売上高24億円、経常利益2億4000万円を目指す。今年度(04年3月期)は、売上高16億円(前年度比14.2%増)、経常利益1億円(同170%増)の見込み。このうち約3分の1が保守料収入で、3分の2をソフトライセンス料収入が占める。中期経営計画を進める段階で、この保守料の比率を高め、将来的にソフトライセンス料を売上高の50%にするための基盤を整備する。

 現在、同社の社員は約100人で、今年度(04年3月期)の1人あたりの売上高は約1600万円。中期経営計画では、社員の増加を20人程度に抑える方針で、120人体制になると1人あたりの売上高は2000万円まで効率化する。売り上げ拡大の中心となるのは、システム価格に対して年間15%徴収している保守料。ユーザー数拡大とともに保守契約の延長を図り、収入アップにつなげる。同社の主力となる業務システムは財務会計や人事給与など基幹系システムが中心で、納入後の使用期間が長く、保守契約の更新を続ければ、それだけ安定的な保守料を得られる。

 佐藤社長は、「このまま保守料の厚みが増していけば、将来的には売上高に占める保守料とライセンス料と比率が半々になる」と予測している。その一方で、収入基盤の集中は避ける。保守料の比率が50%以上に拡大することは抑えて、ライセンス収入をアップするために新製品を継続して投入していく。

 また、ユーザー拡大のためのチャネル支援の柱として、これまでと同様に100%間接販売を続ける。システム販売の場合、同社の収入になるのは全体の6分の1。それ以外は、システムインテグレータの売り上げとなる。販売パートナーにメリットの多いビジネスモデルを堅持することで、システムインテグレータ重視の姿勢を打ち出し、チャネルの活性化を促進する。

 販売パートナーは97年に全国約40社だったが、こうしたビジネスモデルを示したことで、現在は約70社まで増えている。また、ソフトウェアの企画設計以外の単純な製造部分については、親会社のアルゴ21をはじめとしたソフト開発会社へ委託することで、コスト削減に努め、開発単価ダウンなどの影響を回避していく体制を確立していく計画だ。
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