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アップルコンピュータ サーバーで企業基幹システムに参入 オラクルがMac OS X対応DB製品発売

2003/11/10 19:37

週刊BCN 2003年11月10日vol.1014掲載

 アップルコンピュータ(原田永幸社長)は、10月25日に発売した「Mac OS Ⅹバージョン10.3 サーバー」で企業の基幹システム分野の需要開拓を本格化する。数人程度だった直販の営業組織を数10人に増員。加えて、約10人のサーバー系エンジニアを配置した。この体制により、同社のパートナー制度「アップルソリューションエキスパート(ASE)」に加盟する企業や同社のアプリケーションサーバー「ウェブオブジェクツ」の販売パートナー約60社をサポートする。

 アップルが基幹システム分野への展開を本格化することに連動して、日本オラクルは来年1月に発売予定の次期データベース「Oracle 10g」のMac OS X対応版をラインアップに加える。鷲滝薫・アップルコンピュータ・プロダクトマーケティング課長は、オラクルの次期DB製品がMac OS Xに対応することで、「エンタープライズ分野でのビジネスをさらに拡大させる体制が整う」と期待を膨らませる。

 「Mac OS Ⅹバージョン10.3 サーバー」は、UNIXベース、オープンソースベースの各種サーバー機能の設定や管理を容易に行うことが可能。LDAPディレクトリサービスとKerberos認証サービスを提供する「Open Directory2」や、ウィンドウズクライアントに対してログインおよびホームディレクトリサービスを提供する「Samba3」、J2EEアプリケーションを実行するための「JBossアプリケーションサーバー」などが含まれる。価格は、10クライアントライセンスが5万9800円、Unlimitedクライアントライセンスが9万9800円など。

 同サーバーのラインアップ以前は、アップルの強い領域はクリエイティブ分野を中心に、大企業のワークグループやSOHO向けがほとんどだった。今回のサーバー製品で、一般企業向けにウィンドウズNTなどの乗り換えシステムとして提案していく方針だ。
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