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アルプスシステムインテグレーション 主要な機能に限定した情報漏えい防止ソフト 導入の容易さと低価格で拡販

2003/11/03 19:37

週刊BCN 2003年11月03日vol.1013掲載

 システム構築などで文教市場に強みをもつアルプスシステムインテグレーション(ALSI、大喜多晃社長)は、企業のパソコン向けデジタル文書管理ソフトを年内に発売する。価格は1万円前後を予定。今年7月から企業向けに販売しているデジタル文書管理システム「Document Security(ドキュメントセキュリティ)」のクライアントパソコン版で、主要な機能だけを搭載して価格を抑え、導入も容易にした。

 同社の情報セキュリティ事業は当初、ウェブサイトの閲覧規制を行うフィルタリングソフト「InterSafe(インターセーフ)」と、パソコンの機能を制限・管理する「WinKeeper(ウィンキーパー)」の2製品で展開していた。

 だが、「デジタル文書を安全に管理したいというニーズがユーザーから急に増えてきた」(猪瀬森主・パッケージソリューション部マーケティンググループエンタープライズ)ことから、約2年前に製品化に向け開発に着手。今年7月から企業向けにデジタル文書管理システム「Document Security(ドキュメントセキュリティ)」を販売開始した。

 「ドキュメントセキュリティ」は、社内の情報漏えい防止を狙いとしたソリューション。デジタル文書を自動的に暗号化し、パスワードで管理するとともに、閲覧規制設定をはじめ、閲覧回数の指定や印刷許可の設定などを行うことで、情報漏えいを防ぐ。

 構成は、セキュリティポリシーや認証、およびクライアントパソコンの一元管理を行う管理サーバーと、各クライアントパソコンにインストールするエージェントソフト。価格は管理サーバー用ソフトが70万円、クライアント用が2万4000円(50ユーザーの場合)。

 一方、「ドキュメントセキュリティ」は、企業の情報システムに組み込むため、それぞれ個別にインテグレーション作業を行う必要があり、導入の困難さから「製品の必要性を感じてもらっても、実需につながらないケースがあった」(猪瀬氏)という。

 そこで同社では、システム管理者が管理する機能などは持たず、各クライアントユーザーのみが利用するパソコン版「ドキュメントセキュリティ」をこのほど開発した。価格は1万円前後をめどとしている。

 主要な機能だけを搭載することで価格を抑え、値ごろ感を出すとともに、各パソコンにインストールするだけという導入の容易さで拡販を図る。
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