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弥生、「弥生シリーズ」新版発売 青色申告ソフトが好業績を牽引
2003/11/03 19:37
週刊BCN 2003年11月03日vol.1013掲載

昨年11月に発売した「やよいの青色申告」は、「競合他社より後発の出荷」(相馬一徳・執行役員営業本部担当=写真)となったが、ソフトバンクが昨年末にパソコン量販店で実施した「青色申告フェア」で実績を上げ、BCNランキングで販売本数が常に上位3社に入るなど健闘した。「先行した他社の青色申告ソフトを研究し製品の完成度を高めた。これによって、パソコンを所有する個人事業主に販売が伸びた」(相馬執行役員)と分析する。
旧弥生シリーズも購入から30日以内は返品できる「返品キャンペーン」を実施。実際に使ってみることで製品に対する信頼度が高まった。また、昨年末から他の業務ソフトベンダーが廉価版を出荷したのを受け、同社も今年4月に「弥生会計03シリーズ」の優待パッケージ発売などで対抗した。もっとも、「販売店の収益率が低下するため、安易に廉価版は出さない」(相馬執行役員)と、今後は低価格化路線には進まない方針だ。
11月に発売予定の弥生シリーズの新版「弥生会計04」、「弥生販売04」、「弥生給与04」、「やよいの青色申告」と、中小企業のマーケティングに対応した「弥生顧客04」では、ユーザーの声に基づく機能改善を図ったほか、新規導入をサポートする動画ヘルプ「導入アドバイザー」やクレオのはがき作成ソフト「筆まめ」との連動機能などを実装した。今年度中は、30日間無料で使える「体験版」の利用増を図るなどで、10万本弱の販売本数を見込んでいる。
また、潜在顧客の開拓を目指し、4月からは、弥生会計の試供版を会計実務教育を導入する専門学校や大学、商業高校などに利用してもらう「弥生スクール制度」(6月末で約150校が参加)を開始したほか、全国の「青色申告会」に対する営業を強化。「将来的に弥生会計を利用する可能性のあるユーザーを掘り起こす」(相馬取締役)という。
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