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電算 自治体のIT需要拡大で女性中心に支援業務展開 今年度、来年度継続で増員へ
2003/10/20 19:35
週刊BCN 2003年10月20日vol.1011掲載
電算は長野県だけでなく新潟県、山梨県などでも自治体の基幹系システムユーザーを抱えている。特に新潟県、山梨県では市町村合併が進み、大手ベンダーの参入や地元システムインテグレータとの競合が激しくなっている。
同社では自治体事業本部にサポート&サービス部を置き、女性を中心に20人ほどのインストラクターを配置している。長野、新潟、山梨を6ブロックに分け、その地域内の自治体顧客を担当するため、それぞれ2-3人程度のインストラクターがいる。
インストラクターは、システムの講習だけでなく、各自治体を定期的に訪問し、ニーズ調査やシステム提案など営業やシステムエンジニア(SE)の業務の一部も担当しており、同社が長野や新潟で定期的に開いている自治体向けシステムセミナーでのプレゼンテーションなども行う。そのために専門的な教育を受けている。
今年度、来年度と営業テリトリー内で市町村合併が本格化するとともに、電子自治体構築のニーズも増えてくると判断。また、町村レベルにおける電子化への取り組みを支援する必要もあるとみて、今年度、来年度とサポート要員の増員を決めた。
電算の場合、市町村の顧客が多く、合併で確実にユーザー数が減ることになる。合併の際のシステム統合案件を逃せば、合併対象市町村での顧客がゼロになる可能性も出てくる。合併でのシステム統合案件を獲得していくためには、「人件費はかかるが電算社員で支援していくことで、信頼を確保することが重要」(酒井敏夫・自治体事業本部長)としている。
合併、IT化で競争が激しくなる自治体ビジネスだが、多くのベンダー、地元システムインテグレータでは、地元のディーラーや協力会社などとの連携でシェアアップを狙っている。電算では自社のサポート要員を拡充し、さらに女性を中心としたチーム編成を行っている点がユニークだ。
今後、長野県で検討されるシステムのアウトソーシングや共同化といった動きに対しても、電算のIDC(インターネットデータセンター)活用を促すため、サポートメンバーの市町村に対する啓蒙活動で商談を有利に進めていく方針。
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