ニュース

イージーシステムズジャパン メールに特化した暗号化・利用制限が可能 情報漏えい防止ソフト拡充

2003/10/20 19:35

週刊BCN 2003年10月20日vol.1011掲載

 ソフト開発・販売のイージーシステムズジャパン(澁谷紳一郎社長)は、独自開発のDRM(デジタル著作権管理)技術を利用した、企業内部からの情報漏えいを防止するソフトウェア製品を拡充する。作成したドキュメントの暗号化・利用制限を行うソフト「ezFile Security(イージーファイルセキュリティ)」を今月上旬に発売したのに続き、今月下旬には、メールに特化した暗号化・利用制限ソフト「ezMail Security(イージーメールセキュリティ)」を発売する。今後もDRM技術を利用した製品を積極的に投入していく予定で、DRMを中核としたセキュリティ事業の拡大を図る。

「イージーファイルセキュリティ」は、「マイクロソフトオフィス」などで作成したドキュメントファイルや画像ファイル、テキストファイルを独自開発したDRM技術で暗号化し、閲覧者の制限や閲覧回数、利用期間などの制限を行うことで、社外への情報漏えいを防止するソフト。

 今月下旬に発売する「メールセキュリティ」は、メールに特化した暗号化・利用制限ソフト。本文だけではなく、添付ファイルも暗号化することが可能。受信者に対して閲覧期限の限定や印刷禁止などの利用制限を付加したうえで、メールを送信できる。

 価格は両製品ともに100ユーザーで360万円。合計で今年度約10億円の売り上げを見込んでいる。

 同社は、2000年から音楽や動画、ソフトなどのデジタルコンテンツ配信業者をターゲットにした著作権保護関連ソフトの販売を開始し、セキュリティ市場に参入した。昨年には、「ファイルセキュリティ」のASP版である「Wrapsody(ラプソディー)」、今年8月にはCADデータに特化した暗号化ソフトを発売しており、DRM技術を利用した内部情報漏えい対策製品を強化している。

 2製品の販売について船谷武三・DRM・セキュリティグループゼネラルマネージャーは、「度重なる情報漏えい事件や個人情報保護法の成立などで、デジタルコンテンツ配信業者だけではなく、ドキュメント保護という視点で、一般企業からも内部情報漏えいに対するニーズが増えている」と話す。

 船谷ゼネラルマネージャーは、内部情報漏えい関連のセキュリティビジネスは、「02年に比べて06年には約4倍まで成長する」と見ており、今後も内部情報漏えい対策に絞った製品を順次開発・販売していく方針だ。

 同社の昨年度の売上高は17億2800万円。主軸事業であるCD-Rなどへの書き込みソフトが売り上げの中心だが、今年度は「両製品を軸に、既存のセキュリティ製品や今後発表していく製品で、セキュリティ事業の売上比率を全体の約半分を占めるまで成長させたい」(船谷マネージャー)と、意気込んでいる。
  • 1