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麻生情報システム 医療システムの外販を強化 病院の財務体質改善が狙い

2003/10/13 19:35

週刊BCN 2003年10月13日vol.1010掲載

 ソフトウェア開発やパソコン販売を手がける福岡県の麻生情報システム(神崎聡社長)は、主力の病院向け医療システムやパッケージ商品の外販を本格化させている。

 同社は麻生グループ内の飯塚麻生病院(福岡県飯塚市)で稼動する診療録管理や外来診療予約など、院内の全情報システムを構築しており、このソリューションを他の病院にも販売したい考えだ。

 中村信行・社会公共事業部部長は、「病院は、薬価改定や診療報酬の見直しなどで、経営改革の必要性が高まっている」として、ITで業務を効率化して財務体質を強化する病院は増えてくると見ている。

 飯塚麻生病院は県内最大級の総合病院(病床数1157床)。同社は一昨年から電算化や運用に携わり、その間、独自の医療システムや外販用パッケージを開発してきた。

 現在、患者情報照会や外来・入院処方オーダーリング、診療録管理、手術室予約管理、病院診療データベース――など14システムが稼動している。

 このうち、病理診断データベースシステムは、病理診断(剖検、細胞診)後の診断所見や画像データをデータベース化して、患者情報照会システムとリンクさせ、主治医がいつでも参照できる。最も業務の効率化に役立ったシステムとして好評だ。同システムは必要に応じたカスタマイズも可能だ。

 パッケージ商品としては、受付予約表示やドクター支援、物品管理、血液管理、経営管理など6システムを販売している。今年からは、健診支援と診療録管理のバージョンアップ版を外販しており、「福岡県内を中心に受注が増えている」(中村部長)という。

 今後は、他の医療システム会社にない独自の商品として、健康管理支援システムの販売を強化する。同システムは、各種検診や予防接種などの管理全般を行えるほか、患者向けの保健指導やデータ分析など保健婦の業務を支援する機能も充実している。

 同社の年間売上高は約30億円。その約50%を医療システムが占める。もっとも、売り上げのほとんどが系列の飯塚麻生病院からのもの。そこで、全国の病院向けにシステムとパッケージを販売し、売上高を伸ばす戦略を打ち出した。これらのシステムやパッケージの導入に関しては、同社ウェブサイト(http://www.aso-group.co.jp/ais/msd/)で概算見積もりが得られる。
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