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マイクロソフト ウィンドウズSBS2003、割安感で普及促進へ 中小企業の1台目のサーバー目指す
2003/10/13 19:35
週刊BCN 2003年10月13日vol.1010掲載
従来のSBSシリーズは、ウィンドウズサーバーとは別系列のアプリケーション統合製品として販売していた。メールサーバーや管理ツール、データベースなどのアプリケーションソフトを組み込み、これらすべてを買い揃えるよりは割安だが、標準的なウィンドウズサーバーよりは割高になっていた。
このため、多くの中小企業ユーザーは、価格が安いウィンドウズサーバー単体を購入し、基本ソフト(OS)の限られた機能しか使っていないケースが多かった。また、必要なアプリケーションを別に購入していた。
11月下旬に販売する新版のSBSシリーズは、①ウィンドウズサーバーの直系製品として「ウィンドウズSBS2003」に組み入れた。これまではウィンドウズサーバーシリーズとは別系列の製品として位置づけられていた、②スタンダード版(標準版)とプレミアム(付加機能版)の2種類を用意した、③スタンダード版の価格を標準的なウィンドウズサーバー2003よりも安くした――などの変更を加えた。
川岡誠司・サーバープラットフォームビジネス本部ウィンドウズサーバー製品部シニアプロダクトマネージャは、「ウィンドウズサーバー2003に比べて割安感を出すことで、普及促進に努める」と話す。前回のバージョンに比べて10倍の販売本数を目指す。
ただし、ウィンドウズサーバー2003との差別化を図るため、クライアント(パソコン端末)の接続数は75台に限定している(従来製品では50台まで)。
今回は75台まで増やしたものの、「基本はクライアント数50台までの中小企業がターゲット」であることに変わりはない。クライアント数50台前後の制限ギリギリの企業でも、ウィンドウズSBS2003を導入できるよう「余裕」をもたせる意味で75台に増やした。
販路は、コピー・FAXを販売する事務機系のシステム販社や、パソコンショップなど。川岡シニアプロダクトマネージャは、「中小企業にウィンドウズSBS2003を売り込んだのち、会計ソフトなど業務システムの商談に結びつけることができる。販売店みずからのビジネスを拡大して欲しい」と、同製品を、戦略的な「シードプログラム=需要を引き出す“種”」と位置づける。
今回のウィンドウズSBS2003の製品面での最大の特徴は、常時接続・ブロードバンドを前提とし、モバイル機器からの接続や、インターネット経由で遠隔地からサーバーに接続しやすくするなどの自由度を高めた点。また、管理ツールも大幅に拡充した。
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