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メルコグループ メルコホールディングス設立、持株会社に移行 機動力アップで新規事業参入を計画
2003/10/13 19:35
週刊BCN 2003年10月13日vol.1010掲載
9月末までグループの中核だった旧メルコは、持株会社の設立と同時に10月1日付でブランドネームの「バッファロー」に社名変更した。バッファローは、株式交換によりメルコホールディングスの完全子会社となった。バッファローをはじめとして、シー・エフ・デー販売、バッファロー物流、バッファローリース、メルコファイナンスなどの国内グループ会社や、米BAFFALO TECH NOLOGY(バッファロー・テクノロジー)などの海外子会社も含め、メルコホールディングス傘下の子会社となった。
牧社長は、事業部制やカンパニー制ではなく持株会社に移行した理由について、事業ごとに資本を細分化することで、「コストや資産、資本の構造を明確にし、事業業績の歪曲化を防ぐため」としている。今後は、継続して分社化を効率的に進めていくとともに、社内ベンチャーを立ち上げ、新規事業の創出を加速させる。同社は昨年3月、社内ベンチャーとして、パソコンおよび周辺機器などの中古品の販売を手がけるシー・エフ・デー販売を設立。「すでに黒字化を達成した」という。今月末には、オンラインゲーム関連のコンテンツやサービスなどを提供するベンチャーの設立を計画している。加えて、今後はコンテンツプロバイダなどの企業とアライアンスを組むことも検討していく。
また、情報家電機器分野への参入も計画。「家庭内で無線LANを使って、パソコンだけでなくテレビなどの家電機器が接続されるようになるだろう。こうした動きに対応した製品やサービスを提供していくことが重要」と、パソコン周辺機器メーカーとして、新しい需要にも対応していく。特に、家電機器を切り口としたホームネットワークの構築については、セキュリティを重視したサービスやサポートを提供する体制を整える方針で臨んでいる。「11月末までに具体的なコンセプトを打ち出す」予定という。
一方、海外でのビジネス展開については、欧州を中心に売上高が徐々に伸びており、「周辺機器は、海外では国内よりも競合が少ない」として、製品の供給拡大にさらに拍車をかけていく。持株会社制は、資本の細分化により、子会社それぞれの競争力が低下する危険性を内包している面もある。分社化により機動力をアップすることで新規事業への参入を図り、「(新規事業により)売上高や利益を伸ばすことも重要」と、パソコンの周辺機器以外でも収益を拡大できる体制の確立を急ぐ。
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