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トロン陣営とマイクロソフト 情報家電向けOSの開発で合意 “過去の争い”乗り越え
2003/10/06 19:35
週刊BCN 2003年10月06日vol.1009掲載
20年程前には、OSの開発競争で熾烈な争いを演じた両者だが、携帯電話やデジタルカメラなどの組み込み市場で6割以上の高いシェアをもつトロンOSにマイクロソフトが歩み寄った。今回は、同フォーラムが標準化したリアルタイムOS上で、マイクロソフトが提供する情報家電向けOS「ウィンドウズ CE .NET」を動作させる環境の構築に向け仕様の策定を共同で進める。共同開発では、同フォーラムが規定するハードウェアの標準仕様「T-Engine」と標準化を進めていた100万分の1秒単位の応答速度で動くリアルタイムOS「T‐Kernel(ティーカーネル)」上でウィンドウズ CEを動作させる。坂村教授は、「ウィンドウズ CEはティーカーネル上の巨大なミドルウェアとなる」と語った。
今回の合意によりマイクロソフトは、米国本社と東京都調布市の研究所に今回のプロジェクトに関する開発担当を配置するほか、同フォーラムの幹事会員として入会した。
マイクロソフトの古川亨副社長は、「4月には同フォーラムへの参加を決めていた。今回の合意で、新しい産業の流れができる」と、同社から持ち掛けたことを認めている。
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