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日本ネットワークアソシエイツ コンシューマ市場に再び参入 04年に80万ユーザー目指す

2003/10/06 19:35

週刊BCN 2003年10月06日vol.1009掲載

 日本ネットワークアソシエイツ(NAC、加藤孝博社長)は、10月1日からコンシューマ向けでは初となるウイルス対策製品のASPサービスを開始した。同社は2000年9月にコンシューマ向けビジネスから撤退しており、3年ぶりの再参入となる。当面、ウイルス対策など5製品のセキュリティソフトの販売を行うが、ASPサービスの追加やパソコンへのバンドルで、来年には80万ユーザー、40億円の売り上げを目指す。

 コンシューマ向け製品ラインアップは、ウイルス対策ソフト「マカフィー・ウイルススキャンver.8.0」と、ウイルス対策にファイアウォール機能などを盛り込んだ統合セキュリティソフト「マカフィー・インターネットセキュリティスイートver.6.0」など合計5タイトル。コンシューマ市場に再参入するにあたって、従来からの店頭でのパッケージ販売とウェブサイトからのダウンロード販売に加え、データセンターでアプリケーションを運営しインターネットを使って機能を提供する、コンシューマ向けソフト市場では初めてとなるASPモデルを加えた。

 ASPモデルは、ソフトのインストールの手間が省けるとともに、ユーザーのパソコンがインターネット接続環境にあれば、ウイルス定義ファイルや検索エンジンの更新を自動的に行い、常に最新の状態で利用できることが特徴。ユーザーは年間契約で料金を支払う。ASPでの提供価格は3900円と、パッケージ版に比べて約1500円安く設定している。加藤社長は、「セキュリティソフトをインストールしているが、最新の状態で利用していないために、ウイルスに感染するユーザーが非常に多い。当社のASPモデルは使っていることすら忘れてしまう“完全自動”モデル。他社にはないサービスモデルで、3年のブランクを取り戻す」と、ASPモデルの展開に自信をみせる。

 また、メーカーパソコンへのバンドル提供にも積極的に取り組む考えで、NECと松下電器産業製の冬商戦モデルにはすでにバンドル提供している。「現段階で決定しているメーカーは2社だけだが、年内にはさらに数社のパソコンメーカーへのバンドル展開も発表できる」(加藤社長)という。「NECのパソコン出荷台数が年間約300万台とすると、目標獲得ユーザーの80万人はかなり控えめな数字」と、再参入でも普及は確実としている。加藤社長は、「企業向けビジネスとコンシューマ向けビジネスは密接に結びつく」とし、企業向け市場での相乗効果も期待している。「コンシューマ市場への参入で、ビジネスに厚みが出ることに加え、知名度を高めることができる」と読む。
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