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インフォテリア 統合基盤ソフトの機能を強化 開発環境加え適用領域を拡大

2003/09/08 19:32

週刊BCN 2003年09月08日vol.1005掲載

 XML専業ソフトウェア会社のインフォテリア(平野洋一郎社長)は、企業内外のデータやアプリケーションをつなぐ基盤ソフト「ASTERIA3(アステリア・スリー)」を10月1日から出荷する。BPM(ビジネスプロセスマネジメント)を支援するシナリオ機能を搭載しているほか、プログラム言語を使わずシステム構築ができるのが特徴。金融系や報道関係企業をターゲットに、NECや富士通、インテックなどパートナー15社を通じて販売していく。

 同ソフトは、ユーザー企業の内外で増大する運用・保守コストを簡素化する同社独自のコンセプト「SLiM(システム・ライフサイクル・マネジメント)」を実現する。今回の新バージョンでは、中堅企業向けの「ASTERIA Server3 Stan dard Edition」、大企業向けの「同 Enter prise Edition」、基礎的な操作がマウスでできるGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)で開発するツール「ASTERIA Designer3」の3製品をランアップした。

 「ASTERIA」シリーズは、これまでデータ変換・集配信などの役割が中心だったが、開発環境が加わり適用領域が広がった。

 平野社長は、「Javaプログラミングなどの技術を必要としないノン・プログラミングによるシステム構築が可能な統合ツールは前例がない」と、製品の優位性について強調する。また、同ソフトをフレームワーク基盤として、企業の情報システム担当者などが、Javaベースの独自コンポーネントを開発・再利用することができる。

 最近は、企業システムのオープン化の流れで、システムが集中型から分散化に進んでいる。財務会計や生産管理、調達購買など、モジュール間のデータ連携も複雑化して、システムの劣化が増大しているといわれる。

 開発・保守の工数が過重負担になっている企業のシステム担当者やシステムインテグレータは多いが、「アステリア・スリーは、あらかじめシステム構築の途中や経営革新の変化にも、柔軟で簡単に対応できる開発環境を整えている。“スーパープログラマー”を置く必要がない」(平野社長)としている。

 同ソフトは、同社の「アステリア・ソリューション・パートナー」15社を通じ、金融や報道など従業員500人以上の企業を対象に販売していく。今回の新バージョンでシステム統合に関する要件を満たしたことから、同社は次期バージョンで、システムの負荷を分散するオートノミック(自律型)機能などを加えた製品のリリースを検討している。
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