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SEA/J ベンダーに依存しないセキュリティ技術者育成
2003/06/30 19:22
週刊BCN 2003年06月30日vol.996掲載
広範囲な教育プログラムが好評

SEA/Jは昨年7月、ヒューコム、大塚商会、RSAセキュリティ、ソフトバンクBB、マイクロソフト、トレンドマイクロ、ディアイティ、日本ベリサインの8社が共同で設立した。セキュリティ関連技術者の育成プログラムを運営している企業は、全国に1200社ほどあるという。だが、井上理事長は、「各ベンダーの製品に特化した教育だったり、一定のセキュリティ分野だけに特化したプログラムであることが多い」と指摘。「ベンダーに依存しない、広範囲な教育プログラムはSEA/Jが初」と語る。
8社は昨年7月から、セキュリティに特化した教材や講義プログラムの作成作業を共同で進め、今年4月からプログラムを開始した。SEA/Jの教育プログラムは、経済産業省の「ITスキル標準」に準拠する形で、日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA、石田晴久会長)の協力のもと作成した。現在のプログラムは「基礎コース」のみだが、今夏にはより高度な「応用コース」を開始する予定。また、時期は未定だが、サーバー関連、ネットワーク関連など、より細分化した専門プログラムも開始する予定だ。
受講者は2-5日間の講習を受けた後、資格試験を受け、合格すれば認定資格「CSBM」が取得できる。基礎コースの受講者数はこれまで約200人で、「CSBM」取得者は155人(6月18日現在)。井上理事長は、「予想以上に好調で、これまでこのような幅広いセキュリティ教育プログラムがなかったことが注目を集めている要因だろう」と分析する。基礎コースでは、今年度約2000人の受講者を見込んでいる。
具体的な運営方法は、SEA/Jが認めた企業が認定校となり、実際の講義、資格試験を運営する。現在の認定校は、大塚商会、ヒューコム、アライドテレシス、セキグチシステム販売、PFU、日本ビジネスシステムズ、グローバルテクノの計7社。年内には、約20社まで認定校を増やす予定だ。受講料は、資格試験費用も含め9万5000円。井上理事長は、「セキュリティ全般が分る技術者は少なく、大きな課題になっていたがCSBMで突破口をあける」と語る。
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