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データ通信システム オープン系SE育成へ 年間300人を目標に

2003/06/09 19:23

週刊BCN 2003年06月09日vol.993掲載

 金融、通信業界に強みをもつ独立系システムインテグレータのデータ通信システム(DTS、赤羽根靖隆社長)は、オープンシステム系のシステムエンジニア(SE)育成に力を入れる。同社のSE約2000人の過半数を占めるメインフレームの技術者を対象に、今年度から異機種混在型のオープンシステム技術者の育成プログラムを開始する。

 年間300人程度のオープンシステム系SEを育てていきたい考えで、年間約7-8億円の費用を研修プログラムに投じる予定だ。赤羽根社長は、「オープンシステムに精通した技術者を育成することで、金融や通信業界以外のユーザーに対応できる体制を整備していきたい」と語る。

 同社は金融、通信業界向けのシステム構築案件が全社売上高の約70%を占めている。しかし、2002年度(03年3月期)は金融業界などのIT投資低迷が響き、メインフレームを中心とした新規システム構築案件が減少し、その結果、それまで8期連続で増収増益を続けていた業績が、減収減益に転じた。

 しかし、メインフレームを中心とした金融分野の業績低迷の一方で、流通業界などの新規分野からのオープンシステム系案件数が01年度から倍以上に増えた。「これに対応できるような体制が急務」(赤羽根社長)とし、育成プログラムの開始に踏み切った。

 赤羽根社長は、「金融分野の需要は02年度下期から盛り返しているが、通信関連は厳しい。従来と同様のビジネス展開では生き残ってはいけない」と警戒する。

 同社では昨年、金融、通信分野に次ぐ新たなコア領域開拓のため、これまでの営業活動体制の見直しを図り、営業部隊の拡充や営業推進本部を新設するなど、営業強化策を打ち出していた。
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