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日本ヒューレット・パッカード 樋口社長、新戦略打ち出す
2003/06/02 19:23
週刊BCN 2003年06月02日vol.992掲載
アダプティブ・エンタープライズを立ち上げへ

樋口社長は、「AE戦略のベースとなる仮想化技術は、IT業界の1つの潮流である。個々のサーバーやソフトの仮想化だけにとどまらず、ソリューション全体を仮想化する実力があるのは当社の最大の強み」であると指摘。「もともと、国内市場はサービスに対する需要が高い。今回、AE戦略で大幅にサービス体系を拡充したことで、国内の売上高に占めるサービス比率をさらに増やす」考えを表明した。
AEとは、企業や組織の統廃合など、ビジネス環境の変化に合わせてITインフラを柔軟に再構築できるアーキテクチャだという。日本HPでは、ITインフラに投じる費用の約7割が、ビジネス環境の変化によるITインフラの統廃合に費やされていると分析している。この部分をAEによって解決すれば、コスト削減や品質の向上、リスク低減などの利点が得られると指摘する。
AE戦略は、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)のe-ビジネス・オンデマンド戦略の考え方とも一部共通した部分があり、仮想化をベースとしたサービス体系の革新が世界的に進んでいることを示している。また、AEに加えて、日本HPでは、「アジリティ(俊敏性)」を重要な要素として挙げる。ITをビジネス環境の変化に適応させるうえで、アジリティの向上は欠かせない要素だと位置づける。
寺澤正雄会長は、「アジリティが求められているなか、若くて行動力がある樋口(新社長)は非常に適した人材」と、日本HPそのものの経営にもアジリティを最大限に生かしていく考えを示した。樋口社長は、「この会社は、旧日本HP、旧コンパックコンピュータなど4つの会社が合併してできた。この組織をまとめあげるのは、AEをはじめとする統一したビジョンが必要だ。社内の気持ちを1つにまとめて、市場の変化に適応した組織づくりをする」と話した。
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