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カテナ 教育ソフトの無料試用サイト開設 仕入れ値で販売、利用ログも提供
2003/05/12 19:20
週刊BCN 2003年05月12日vol.989掲載
同サイトは5月末にオープン予定。開設時は、東京書籍-帝国書院といった教科書会社、教育ソフト大手の鈴木教育、がくげい、創育など100社が市販する1500本のソフト情報を掲載し、このうち100本の体験版を試用することが可能。試用したあとはパッケージを購入することもできる。
今夏には同社のインターネット通販「Cat Works(キャットワークス)」の機能を使い、ダウンロード販売も開始する。最終的には中小メーカーを含め200社程度のソフト情報を提供する計画だ。
ソフトの試用会員は事前登録制(無料)で、IDとパスワードを取得すれば、特別なアプリケーションをインストールせずにウェブを通じソフトを体験できる。2003年度は1万人の会員登録を見込んでいる。
メーカー側のソフト情報の掲載料は、基本的に無料だが、ストリーミング配信の試用版の場合2本目から1本あたり4万円の加工費が必要。ユーザーが試用・購入したログは独自の解析システムにより、ソフトの試用回数・時間、試用者の属性、競合製品との利用頻度比較などのデータを、学校種や地域別に割り出しメーカーに有料で提供する。
メーカーがログ情報の提供を受けるためには年間登録料が必要で、提供情報の種類に応じて「プレミア」(60万円)、「スタンダード」(40万円)、「エコノミー」(20万円)の3種類を用意している。
三原正輝・流通事業本部長は「このログ情報により、教師が求めるソフトの種類を知ることで、次期製品の開発や直販、販社を通じた営業活動に役立てることができる」としている。
最近の学校向け教育ソフトは、教育委員会(自治体)の年間一括購入が減少し、各学校裁量でのソフト選定が増えた。このため、従来に比べ営業負荷が多くなったことで同ソフト市場は低迷しているといわれる。また、メーカーには中小・零細企業も多く販促予算も少ないため、効果的な広告戦略が打ち出せない。無料体験版のCD-ROMを学校に配布しても、ユーザーの反応がわからず制作費用だけかさんでいるという。
三原本部長は、「この無料試用サイトは経費削減につながる。ソフト選定のキーマンとなる教師が利用者なので、そのログを解析すればソフト導入を検討する学校がわかる」と登録を呼びかける。
さらに、そのデータなどをもとに、同社と契約する全国の教育系販社約2000社とメーカーの仲介役として販売スキームも提案していくほか、販社の要望により同サイトの機能を提供する。
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