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日立HBM 自社開発ソフト、“全国区”へ

2003/04/21 19:17

週刊BCN 2003年04月21日vol.987掲載

 日立エイチ・ビー・エム(日立HBM、朝井康正社長)は、自社開発ソフトの販売体系を大幅に見直す。具体的には、現在約120種類ある自社ソフトのなかから全国での販売に適したソフトを約30種類選び出し、横展開しやすいように機能を拡充する。これまで特定の地域や業種に特化したソフトは多かったが、手直しせずにそのまま全国で拡販できるソフトの開発や販売の体制づくりは課題だった。

特定業種向けシステムを標準化

 4月、自社開発ソフトの全国展開を支援する「オープンソリューション事業推進本部」を新設した。これまで各本部が独自に展開していたソフト開発や情報システムを整理・統合し、全国共通で横展開できる「全国共通ソリューション」体系をつくる。

 例えば、同社の運送業向け「ヒットキャリー」や、ホテル総合システム「HIROOM/CS」などのソフトは、同社の地方拠点がそれぞれ個別の顧客向けに開発したのが始まり。 ホテル総合システムは、当初は中部地方だけだったが、今は広島県を中心とする地区でも売れ始めた。 内部情報流出防止セキュリティシステム「ウォーターウォッチ」なども中堅金融機関などへの納入が始まった。

 今回の「全国共通ソリューション」では、運送業やホテル業、セキュリティなど個別用途向けのソフトを系列立てて整理し、全国的に横展開できるようにする。 ソフトウェアは、これまで通り各地域ごとの顧客の要望に合わせて開発するが、「全国で売れる」と判断したものについては、「全国共通ソリューション」に格上げして販売していく。

 これにより、(1)地域や顧客に密着していた自社ソフトを全国で販売することで、他社との差別化をしやすくする、(2)全国共通ソリューションとして磨きをかけることで、より完成度を高め、顧客満足度を高める、(3)本数を多く販売することでコストを抑える――などのメリットがある。

 朝井社長は、「自社独自のソフトやソリューションを標準化して、すべての営業拠点で共有する。これら標準化したシステムは、個々の顧客に合わせて個別に手直しするのではなく、商談の段階から顧客に納得して使ってもらえるよう、製品そのものの完成度を高める。手直しを繰り返すようでは、コストがかかり、顧客満足度を上げられない」と話す。

 同社の昨年度(2003年3月期)の売上高は約600億円。このうち自社開発ソフトを含むシステム構築(SI)部分は約30%。約45%がハードウェアの販売で、約25%が保守サービスなどだった。

 今年度(04年3月期)は、今回の全国共通ソリューション施策などにより、SI比率を40%に高める。05年度(06年3月期)にはSI比率を50%に高める計画。
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