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(財)社会経済生産性本部 企業システムの自己診断ツール策定
2003/04/14 19:17
週刊BCN 2003年04月14日vol.986掲載
投資対効果や競争力を評点化
日本は世界第2位のコンピュータ市場でありながら、ネットを生かした経営革新などの実績は決して高くない。こうした状況を打開する糸口として、(財)社会経済生産性本部は、企業の経営者などがシステムの投資対効果や競争力を自己診断できる「情報化・生産性評価基準 セルフ・アセスメント・ガイドライン」を策定した。経営者や情報部門、営業部門などが一体となってシステムの自己診断を行うことで、経営革新に直結するシステム構築や活用方法などを導き出せるのが特色。企業内の情報化においては、システム投資が必ずしも有効な価値創造に結びつかないという失敗事例が少なくない。
社会経済生産性本部では、こうした問題が日本企業の競争力低下の要因にもつながっているとして、企業の経営者自らが、自社システムの問題点や、生産性向上のための対処方法などを自己診断できる評価基準(アセスメント・ガイドライン)を世界で初めて策定した。
内容は二部構成で、第一部では今後の情報化やシステム活用に必要な考え方、要件をまとめている。
顧客やビジネス・パートナーなどと「どのように創造的な相互関係」を構築できるかという視点で、情報システムを捉え直すことに主眼をおいている。
第二部は、自己診断のためのツール。投資対効果や競争力などの点で、自社システムが、最大限の価値を創造できているかを具体的に評点化できる。
評価カテゴリは、システム構築に当たっての「考え方や意図の明確化」、「目標の設定」、「実現するための体制と仕組みの整備」、「成果と課題の把握と評価」などの6段階から構成されている。
特徴的なのは、経営トップのリーダーシップが、情報化の生産性向上のカギを握るとして、経営者の積極的な関与を「情報責任」として求めている点だ。経営者と現場の事業部門、情報システム部門の3者が各々の立場からシステムを評点化することにより、自社の情報化の欠落部分や具体的な改善の方向性が明確になる。
今回のセルフ・アセスメント・ガイドラインは、同本部が主催している「日本経営品質賞」の評価モデルをベースに新たにオリジナルなコンテンツとして作成した。
ガイドライン本体は、3000円で一般に頒布するほか、同ガイドラインのための専用サイト(http://www.infovalue.jp/)も開設した。
また、4月25日には東京・平河町で企業向け説明発表会を開催する。すでに100数十社の参加を得ている。今秋から全国10か所での公開講座や、国際シンポジウムを開催する計画。さらに経営者やCIO、サポートベンダー、有識者の4階層からなる研究会も発足させて、一般企業に向けた普及活動に乗り出す。(問い合わせ・(財)社会経済生産性本部・総合企画部 TEL03-3409-1137)
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