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ファルコンシステム 日本語認証システムを本格販売
2003/03/17 19:14
週刊BCN 2003年03月17日vol.982掲載
一次販社を10社に拡充
ファルコンシステムコンサルティングは、Q&A形式の日本語パスワードシステム「ワイズポイント」で、来年度(2004年3月期)4億円の売り上げを目指す。同システムは、3月から代理店を通じて本格的に販売を始めており、日本ビジネスコンピューターなどが一次販社になっている。4月からは住商エレクトロニクスやSRAなどが一次販社に加わり、最終的に10社に増やす考えだ。Q&A形式の日本語パスワード方式とは、ID番号を入力すると「愛犬ポチの好物は?」など、本人しか知り得ないことを質問する画面が現れる。これに「富士リンゴと台湾バナナ」など日本語で答えることで認証する。この“Q&Aセット”を3-5種類程度、あらかじめ認証システムに登録し、IDを入力するたびに、順不同で質問を表示する。覚えやすく、長いパスワードを設定できるため、セキュリティが大幅に向上する。
たとえば、「4k7%wS」など英数6文字のパスワードを1秒で解読できるコンピュータを使って、「利根&山と川」など、日本語のパスワード6文字を解読すると、解読時間が9年5か月かかるという。母数となる漢字の数が多いために解読時間が英数より極端に長くなる。だが、基本的な仕組みが簡単なためIDカードや指紋認証など、高度な認証システムの約10分の1の価格で導入できる。
館ヶ澤英輝・常務取締役は、「IDカードや指紋認証など高度なシステムは、認証市場全体の約10%しか普及していない。ユビキタス化が進むなかで、使い勝手が悪い大がかりな認証システムの普及は限界がある。使い勝手が良く解読が困難なワイズポイントは、高いセキュリティ強度が必要なウェブアプリケーションやECサイト運営向けに売り込む」と話す。
これまで、英数字のパスワードを思い起こさせる質問をあらかじめ認証システムに登録する手法はあったが、日本語そのもので解答するシステムは今回が初めて。すでに2件の特許を申請済みで、「他社は簡単に真似できない」(同)という。同社は、岡山県のシステム販社である三洋コンピュータの親会社「三洋ホールディングス」が約30%出資するソフト会社。もともとセキュリティに強いコンサルタント会社だったが、今回の「ワイズポイント」の製品化により、ソフト販売の比率が大幅に高まる。来年度の全社的な売上見込み約6億円のうち、同製品が4億円を占める見通し。
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