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センドメール メールソフトで売り上げ6億円目指す
2003/03/17 19:14
週刊BCN 2003年03月17日vol.982掲載
需要の急拡大に期待
センドメール(小島國照社長)は今年度(2004年1月期)、前年度比約2倍の6億円の売り上げを見込んでいる。「センドメール」は20年来、UNIX環境を中心に広く浸透しているオープンソース方式のメールサーバーソフト。同社は今年1月末、初めてセンドメールの名称で日本法人を設立した。社長に就任した小島氏は、元ターボリナックス日本法人の社長を経験。オープンソースをベースとしたビジネスは、今回が2度目の挑戦となる。「Linuxのディストリビュータの収益モデルは、饅頭の“皮”を売って商売していたようなもの。今回のセンドメールは、同じオープンソースでも、板の上に乗った“かまぼこ”を売る商売。肝心の中身(かまぼこ)の部分が収益の中心になるという意味において、成功する確率は高い」――。小島社長は、このように話す。Linuxは、いくら付属ソフトで付加価値を増しても、商品価値の中心となるのは、あくまでもLinux本体だった。だが、オープンソースのセンドメールは、あくまでも基盤(=かまぼこの板)にすぎない。商品価値の中心となるのはセンドメールを制御するアプリケーション群(有償の自社製商用ソフト)となる。この点が、Linuxとは大きく違うと強調する。
従来のセンドメールの欠点は、設定が難しいことに尽きる。設定パラメータだけで200種類を超え、「設定事例集だけで分厚い説明書ができる」(小島社長)という。これを大幅に改善し、運用管理や監視警告、コンテンツ管理、セキュリティ管理といった高度な運用アプリケーションを同梱したのが有償版の「センドメール」である。「オープンソース(無償)版は、有償版の2割程度の基礎的な機能しかなく、価値の中心は運用管理面のアプリケーション群にある」と話す。
「電子メールの送受信容量は毎年2倍以上の拡大を続けており、業務報告や取引記録など重要な情報が電子メール記録として残されている。これらの情報は、伝票と同じように会社の所有物として管理運用されなければならない。この需要が今後急速に拡大する」ことから、日本法人の設立に踏み切った。それまでは法人格のない事務所を00年頃から開いていただけだ。小島社長は、「金融機関ならばインサイダー取引の監視、企業でもセクハラや社内外の関係者の不正などを未然に防ぐためにも、電子メールのセキュリティや運用管理に対する需要は必ず拡大する。メールの保存や管理を厳密にし、事故や事件が起きても、原因や背景を素早く察知できる」と、管理能力にすぐれた有償版センドメールの重要性を訴求する。
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