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ジースポート 低価格のモーションキャプチャシステムを発売
2003/02/24 19:12
週刊BCN 2003年02月24日vol.979掲載
医学・自動車分野に販売拡大
ジースポート(黒田篤社長)は、ソフトウェアベースのモーションキャプチャーシステム「KROPS(クロップス)」を発売した。同社は東京大学でCG(コンピュータグラフィックス)研究を行っていたスタッフが昨年7月に設立した企業で、人の動きの解析と視覚化技術を研究・開発している。「人間の動作や筋力、スピードなどを数値化し、医学分野でリハビリテーションや、自動車のドアを開ける動作にかかる負荷の計測などの分野で活用していくことができる」(黒田社長)という。モーションキャプチャシステムとしては低価格の12万8000円で販売する。同社では、人の動きの解析や視覚化などを行う技術を「デジタル・ヒューマン・テクノロジー」と呼び、医学や自動車などの製品開発時に活用するソフト「アルモ」(サーバー用で150万円)と、この技術を広い分野で活用できるように低価格化を実現した「クロップス」という2製品を開発した。
「当社のビジネスは、医学や自動車などの製品開発で活用するためのデジタル・ヒューマン・テクノロジーの研究・開発。クロップスを多くの人に利用してもらい、当社の技術の活用場面を増やしていきたい」(黒田社長)と語る。
通常、モーションキャプチャはハードウェアタイプ、ハードとソフトの両方を使ったデジタイズタイプがある。価格は数百万円か数千万円になることがほとんどだ。さらに、カメラを数台用意し、動きをビデオなどで撮影してモーションキャプチャ化する。
それに対してクロップスは、既存のモーションキャプチャの間接部にマーキングの手法を取り入れ、ビデオ映像などから取り込んだ動画ファイルを素材として、動作を解析、モーションキャプチャを生成する。
ビデオで撮影した人間の動きを取り込んで3D(3次元)CG化することはもちろん、通常は3D化できないアニメの登場人物の動きを3D化することもできる。
価格は通常版が12万8000円。アカデミック版は9万8000円。希望があればカスタマイズにも応じる。同社では、このシステムの年間販売目標を1000本としている。
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