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駅前探検倶楽部 交通費精算を完全自動化

2003/02/03 19:12

週刊BCN 2003年02月03日vol.976掲載

企業向け業務システムへ組み込み狙う

 駅前探検倶楽部(駅探、松尾祐二社長)は、企業の業務システム向けに、交通費精算のASP(サービスの期間貸し)事業を立ち上げる。この3月末までに、親会社の東芝、グループ会社の東芝情報機器、新規開拓先としてコニカの業務システム上でそれぞれ稼働する。来年度(2004年3月期)の売上見通し11億円のうち、2割に当たる2億円以上を同ASPで売り上げる計画。駅探は、これまで東芝の社内ベンチャーだったが、採算の目処が立ったため、この2月1日から独立法人として営業を始めた。

 企業向けの駅探は、グループウェアなど営業担当者が訪問先スケジュールを入力した段階で、瞬時に交通費精算の金額を算出する。実際に訪問したのち、営業担当者がパソコン上の「交通費精算」のボタンを押せば、自動的に経費として経理部門に精算金額が伝わる仕組みだ。これまでパッケージソフトによる交通費精算の仕組みはあったが、駅探は完全ASPによるシステムで運賃料金などリアルタイムで更新する。

 すでに、日本オラクルの基幹業務ソフト向けに組み込みを始めているほか、今後、SAPやIBM、システムプロバイダが独自に開発する業務ソフトなどにも組み込む。

 松尾社長は、「都内近距離の外出が多い企業ほど、駅探を使うことによる経費削減効果は大きい。近距離の経費精算は、通常、営業担当者各自が毎月1時間以上かけて計算し、これを経理担当者が検証する。この作業が軽減されるだけで、交通費精算にかかる経費の最低1割を削れる」と話す。

 営業担当者が多い企業であればあるほど削減効果は大きく、社員数500人以上で営業系が多い事業所を中心に売り込む。駅探ASPの価格は年間100万円から。4月からは、約4万人の東芝社員、東芝情報機器の約1500人、コニカの約4000人の社員が駅探を使って交通費精算をする。

 東芝はアクアと呼ばれる独自のERP(基幹業務システム)をJavaで組んでおり、東芝情報機器も独自のERPを使っているが、こうした独自の業務システムにも組み込める。

 「オラクルやSAPなどERPパッケージベンダーと組むのと同時に、システムプロバイダが開発するERPや業務ソフトへの組み込みに力を入れる。確実に経費が削減できる駅探は、営業担当者が多い企業を中心に人気が出るだろう。各社のERPに標準で駅探を入れていただけるよう働きかける」と意気盛んだ。

 今年度(03年3月期)の駅探の売り上げは8億円。内訳は8割がiモードなど携帯電話会員約55万人から得られる月額100円の携帯電話版駅探の利用料が占める。残り2割は広告その他だ。3年後の05年度には、売上高20億円、経常利益3億円を目指す。
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外部リンク

駅前探検倶楽部=http://www.ekitan.com/