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シマンテックなど3社 年末年始のウイルスは問い合わせ件数が減少
2003/01/13 19:10
週刊BCN 2003年01月13日vol.973掲載
シマンテックでは、年末年始に新種のウイルスに関する問い合わせや感染報告の専用窓口として「ウイルス相談特別サポート窓口」を開設した。この期間における問い合わせ件数は55件で、個人ユーザーが大半だった。このうち昨年12月24日に発見された「W32.Yaha.K@mm(ヤハK)」が12件と最も多かったという。
「ヤハK」は、先に発見されている「Yaha」の亜種と同様、大量のメール送信を行うワーム。被害を広げた要因の1つとして、シマンテックでは「新年の挨拶メールと間違えて開けてしまったケースが多かったのではないか」とみている。
トレンドマイクロでも、年末年始にサポート窓口を開設。問い合わせ件数は、個人ユーザーが大半で215件だった。「ハッキングツールを含んだ『WORM_BADTRANS.B(バッドトランス.B)』に関する問い合わせが多かった」としている。
日本ネットワークアソシエイツ(NAC)ではサポート窓口を開設しなかったものの、昨年12月28日から今年1月5日まで緊急ウイルス発生の際に24時間即応できるテクニカルサポート体制を敷いた。「前回、サポートセンターを開設したのは顧客からのニーズがあったため。今回、問い合わせについては、ほとんどなかったに等しかった」としている。
前回の年末年始の問い合わせ件数は、シマンテックが個人ユーザーを中心に31件、トレンドマイクロが個人ユーザー中心の1237件、日本ネットワークアソシエイツは企業顧客から10件弱だった。今回は、個人・企業双方とも年末年始に備えウイルス対策を強化したことが顕著に出ている。
だが、トレンドマイクロが発表したコンピュータウイルス感染被害年間レポート(日本国内における02年1月1日-12月31日のデータ)によると、ウイルス被害報告の総件数が5万2172件と過去最高を記録。01年の2万5644件の2倍を超える被害報告件数となった。
01年に発生した「NIMDA(ニムダ)」のような短期間に爆発的な感染被害を起こすウイルスの出現がなかったのにも関わらず被害報告件数が増えたのは、ブロードバンドの普及によるインターネット接続の長時間化や、家庭や小規模事業所レベルでのネットワーク化の増加などによって、活動が多様化したワームを防ぎにくくなり、感染が感染を増やす傾向にあることが要因だとしている。
今後は、セキュリティホールを悪用し、eメールの件名や本文を工夫するなど人の心理をつくウイルスが増加するとみている。
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