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NECネクサソリューションズ アウトソーシングを拡充
2003/01/13 19:10
週刊BCN 2003年01月13日vol.973掲載
安定成長と収益重視へ
NECネクサソリューションズ(大河原誠一社長)は、2003年の収益の柱として、アウトソーシングを選択する。NEC系販社の5社が合併して設立した同社は、今年で3年目を迎える。1年目は、取りあえず動きだし、2年目は5社それぞれのシステムやサービスを体系化し、組織も抜本的に変えた。3年目を迎える今年は、アウトソーシングに経営資源の集中化を進める一方で、組織は大きく変更せず、安定成長と収益重視で臨む。同社の課題は、成長路線にどう結びつけるかにある。01年4月の設立当初の経営目標は「03年度に年商2000億円を達成」することだったが、計画実行は難しくなる可能性が出てきた。大河原社長は、「かつてのような一本調子のIT投資はもう見られない。IT投資が“踊り場”的な伸び悩みを示しているのではなく、ある種の方向転換を始めている」と話す。
「方向転換」の行き先は、アウトソーシングだと、同社では予測する。「ノンハード(非ハードウェア販売部門)は、成長が鈍化しているとはいえ、堅実に右肩上がりを続けている。単純な切り出し型のアウトソーシングから、長期契約によるビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)に至るまで、ありとあらゆる形態に対応する。当社独自のサービス体系として、昨年7月には『ネクサソーシング』の名称もつけた。今年はこのネクサソーシングを一気に開花させる」と意気込む。
ネクサソーシングの事業計画は、今年度(03年3月期)が150億円、04年度(05年3月期)に250億円の売り上げを目指す。総売上全体から見ればその比率は約10分の1前後と小さいが、収益性は大きい。
ハードや自社開発システムの旧「ヤリシリーズ」(旧NECテクノサービスが開発)など、いわゆる“システム構築(SI)”的な切り口が売り上げの大勢を占めてきた。これについて大河原社長は、「サーバーやERP(統合基幹業務パッケージ)などのシステム案件に対する需要が、最盛期に比べ半減している。一方アウトソーシング需要は倍増している。時代の流れは、明らかに後者の方に進む」と話す。
また、「ハードやシステムを否定することはない」と明言しつつも、「当社の成長を支えるのは、アウトソーシングだ」との確信を持つ。
昨年度(02年3月期)の年商は約1300億円。当初計画では1700億円ほどを狙っていたという。計画どおり03年度(04年3月期)に年商2000億円を達成できるかどうかは、アウトソーシングを、どこまで伸ばせるかにかかっている。
アウトソーシングを伸ばせば、相対的にハードやシステム構築の売り上げは下がるように思われるが、この点については、「ハードやシステムを売らなくてもいいということではなく、売り方を変える必要があるということ」だと指摘する。
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