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電通国際情報サービス 社内組織を拡充し、コンサルティング強化
2003/01/06 19:10
週刊BCN 2003年01月06日vol.972掲載
開発サイクルの短縮を図る
「ユーザーがより厳しい目で製品を精査するようになった。発注した時点での仕様で良いのか懸念するユーザーが多くなり、システムの開発中に仕様が変更されるなど、検討・検証に費やす時間が、これまでより約3-6か月長引くケースが非常に目立った。また、競争が激化し、価格も下がった。安価な受注と開発期間の長期化。2つの面が業績に悪影響を及ぼした年だった。03年もこの状況の大幅な改善は見込めないだろう」と、瀧浪社長は振り返る。同社の強みは、ユーザーから直接案件を受注していること。
大手メーカーの下請けとしてではなく、プライム・コントラクター(元請け企業)として、営業担当や技術者がユーザーと直接話をして、ビジネス・プロセスを変えるにはどうしたら良いかなどを議論する営業体制をとっている。
「戦略やマーケティングまで踏み込んだ提案型の営業を行う元請けとして開発を進め、ユーザーに提供している企業はそうはない」(瀧浪社長)と強調する。
だが、案件の長期化が進むなかで、これまでの体制では、プライム・コントラクターとしての強みである提案型営業が生かしきれていなかったという。
この状況を受け、開発前に、ユーザーとのシステム立案や事業戦略などのコンサルティング事業に、より注力できる社内体制作りに本腰を入れる。
コンサルティング事業に十分な時間と人材を費やすことができるよう、組織の拡充を図る。
また、開発者、グループ会社との連携をより強固にすることで、製品の品質を向上させ、検討・検証時間の短縮を図り、開発サイクルを縮めていく構えだ。
「システムは早く作って、早く稼動させるほど効率は上がる。そのためには、ユーザーに対しての密着度、早く提供できる仕組み、柔軟な組織体制をより強化していくことが重要」という。
00年の株式上場以来、堅調に増収増益を確保してきた同社だが、03年3月期の9月中間業績(02年4-9月)では、売上高は前年同期比1.9%増の341億5200万円と微増にとどまり、経常損益は5億8100万円の赤字(前年同期は20億3700万円の黒字)、当期純損益は7億5800万円の赤字(同11億3000万円の黒字)と伸び悩んだ。
通期の予想も、売上高で前期比7%増の780億円、経常利益で同53.1%減の27億円、当期純利益で同63.7%減の10億円と、上場以来初の減益は否めない見通し。しかし、「楽観視は当然していないが、今年は02年の組織体制見直しという学習が実を結ぶ年になる」と挽回を誓っている。
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