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日本事務器 フロントオフィス系に注力
2003/01/06 19:10
週刊BCN 2003年01月06日vol.972掲載
医療分野でのソリューションを軸に
大塚社長は、「当社の全国営業拠点のユーザーの実情をみて、フロントオフィス系システムについては、まだビジネスを拡大できる余地があると確信した。基幹系システムを導入した顧客ベースがあるだけに、新たな提案としてインターネットを活用したフロントオフィス系ソリューションを作り出せば、十分にビジネスを拡大させることができる」と話す。すでに、昨年8-12月までの5か月間で受注件数が前年の2ケタ増となるなど好調で、人材教育の徹底によりさらなる事業拡大を目指す。日本事務器は昨年6月に大塚社長が就任。売上高について、「現在の踊り場状態からの脱出を目指す」としていた。フロントオフィス系ソリューションについては、「このビジネスだけで売り上げが浮上するところまではいかないが、実績が拡大していくことで、当社の営業面での自信につながるなどメリットは大きい」と、売上拡大への貢献に加え、社内の活性化という面でプラスになると見ている。具体的なフロントオフィス系ソリューションとしては、同社の強みである医療分野でのタブレットPCを使った電子カルテ、流通業者向けの音声入力受発注システムなど、「新しいアイデアを出せば、まだまだITの活用分野を広げていくことができる。とくにタブレットPCのような新しい製品は、研究を進めることで可能性が広がる」と分析。
今年の課題として、携帯電話、PDA(携帯情報端末)、タブレットPCなどを活用し、手書き、音声といった入力方法での活用研究を進めていくことをあげている。こうした新規ビジネスについては、「従来から続けてきた基幹系システムの販売は、情報システム部門へのセールスを行えば十分だった。だが、新しい技術の活用やフロントオフィス系ソリューションとなると、経営者や営業担当者、物流担当者など、これまで全く接触がなかった部署に対してもアプローチしていく必要がある。このためには、それができる人材の育成を行い、提案力をつけていく必要がある」とし、営業力強化に向けた人材教育を活発化していく。
また、SE(システムエンジニア)についても、NECが販売パートナーに対して提供しているeラーニングの仕組みなどを活用しながら、人材の強化を図っていく方針だ。さらに、2003年度(04年3月期)には、新たにサービス事業も立ち上げる計画で、現在のサービス事業の売り上げを倍増し、かつフロントオフィス系ソリューションなど新規事業と合わせて、業績の向上につなげていく構え。
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