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松下電器産業 海外事業体制を再編へ 来年4月1日付から実施

2002/12/23 16:49

週刊BCN 2002年12月23日vol.971掲載

 松下電器産業(中村邦夫社長)は、2003年4月1日から開始する新体制における海外事業の布陣を明らかにした。

 中村社長は、「V字回復に向けたけん引エンジンは海外事業」と位置づけており、今回の新体制で、さらに事業を加速させる。

 新体制では、世界を5つのエリアに分割した地域統括会社への事業責任の移管を明確にした。米州本部、欧州本部、CIMA(中近東)本部、アジア太平洋州本部、中国・北東アジア本部の5つの新地域本部制を敷き、各地域統括会社を、現地法人による持ち株会社として設置する。

 社内では大阪・門真の本社部門をG&G(グループ&グローバル)本社と呼ぶが、同本社が各地域統括会社に100%出資する体制とする一方、経営管理については、4月1日付でAVC社をはじめとする14ドメインに再編される各事業ドメイン会社(1月1日付は8つのドメイン会社体制)が横串の形で行うことになる。これにより、グローバル体制においても、開発、製造、販売の連結的な経営責任をドメイン会社ごとに明確化する。

 海外事業を担当する少徳敬雄代表取締役常務は、「これまでは、日本国内に海外事業部門の本部があり、海外拠点が出先という体制になっていたきらいがあった。それぞれの現地に本部を置き、各エリアごとの権限を高めることで、責任の明確化を図り現地化を進める」という。

 これまで本社に支払う配当金に関しては、赤字事業に関しては免除されていた。これが海外の赤字事業を増やしたり、赤字ながらも海外拠点が存続する温床になっているとして、赤字事業でも配当金を徴収する仕組みへと変更。これによって、赤字拠点に関しては、撤退かテコ入れかを各ドメイン会社が明確にする動きも加速することになる。

 さらに、地域統括会社の持ち株会社化をすることで、現地への税金徴収が発生するものの、税率の高い日本国内での実行税率が引き下げられることになるとしている。
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