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米フォトンダイナミックス モニタ製造用検査ツールでアジア各国に展開
2002/11/25 16:36
週刊BCN 2002年11月25日vol.967掲載
創業は1986年。最初の数年間はCRTモニタ用検査ツールを提供してきたが、技術の進展にともない、プリント基板、ガラス、LCDと対応商品を拡大している。
ビンセント・F・ソリートー最高経営責任者(CEO)は、「常にユーザーである製造業に近い所に身を置いて革新を続けなければ企業を存続していくことは難しい」と話す。
対応製品の拡大は、企業の買収などで対応している。直近では韓国のバックライトインバーターメーカーを買収している。
本社は米国だが、LCD、プリント基板などの製造拠点はアジアに多く、90年には日本でのビジネスを開始。その後、台湾、韓国、中国とアジア地区での拠点を拡大させ、「現在では8割がアジアでのビジネスとなり、社員も3分の1がアジア地区に駐在している」(ソリートーCEO)という。
「LCDは、ノートパソコンから、デスクトップパソコン用モニタ、テレビ、さらに新たにガラス上でのシステム組み込みへと利用分野が拡大した。98年は、アジアでの経済危機の影響もあり、需要と供給のバランスが崩れ、大幅な供給不足に陥った。その後、99年、00年は供給過剰となったものの、01年は再び供給不足になり、現在でもそれが続いている。今年末には供給過多に陥るとの見方もあるが、それは液晶テレビの価格次第ではないか」と分析する。
デスクトップパソコン用液晶モニタの価格は1インチあたり2500円程度。一方、液晶テレビは1インチあたり1万円。「液晶テレビの価格が下がれば、急速に需要が拡大し、一気に需要と供給のバランスは変わるだろう」と見る。
変動が大きいビジネスは、「非常に神経を使うし、楽ではない」とソリートーCEOは笑う。「これだけ急速にマーケットが伸びている分野はLCDくらいのもの。当社としてもビジネスを進めていくのは非常にメリットがある」と語る。
今後、生産、需要の両面で中国が拡大していく見通しで、同社も上海にオフィスを開設したばかり。「将来は非常に明るい市場だ」という。
だが、「中国がどれだけ成長したとしても、当社にとって日本は欠かすことができない重要なマーケット。液晶ポリシリコンのような新しい技術は日本企業から生まれる。日本市場への注力は変わらないだろう」と、日本の製造業の技術力に大きな期待を寄せている。
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