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日本ネットワーク・アプライアンス iSCSI対応ストレージを商品化 06年には金額シェア4割目指す

2002/11/18 16:37

週刊BCN 2002年11月18日vol.966掲載

 日本ネットワーク・アプライアンス(鈴木康正社長)は、2003年早々にiSCSI対応のストレージを製品化する。同社はこれまでNAS(ネットワーク接続型ストレージ)を主軸に位置づけてきたが、この10月から新しくSAN(ストレージエリアネットワーク)対応のストレージ市場に参入した。今回のiSCSI対応製品の投入は、参入したばかりのSAN市場でシェアを伸ばしていくための戦略製品になる。iSCSIとは、SANをイーサネット(LAN)で構築するための接続方式。今年9月に実質的な規格がまとまった。

 06年には、SANとNASの市場で金額シェア4割を獲る――。鈴木社長は強気の目標を立てる。06年、SANとNASを合わせた市場規模は国内で約4700億円近くに成長する見通しで、同社の目標である金額シェア4割は約1880億円を占めることになる。

「実際はシステム販社経由での販売になるため、日本法人としての売り上げは06年で1200億円を目指す」(鈴木社長)と意気込む。

 NASに特化したストレージで急成長した同社だが、IT投資の減退で昨年度(02年4月期)の世界市場での売上高は前年度比2割減の8億ドル(約960億円)となった。

 これを受けて、NAS領域のシェアは堅持しつつ、NASよりも市場規模が大きいSANにも対応するストレージの製品化に踏み切った。来年早々には、NASでありながらSAN上でも稼働し、さらにiSCSI方式でも接続できる独自の製品を投入する。

 今年のNASの国内市場規模は約265億円の見通し。同社のシェアが半分を占めていたとしても、06年目標の1200億円とはほど遠く、10倍近い開きがある。

 この点について鈴木社長は、「ストレージは、今後どんどんコンピュータ本体から独立する。ストレージでメインプレーヤーの座を勝ち取れば、強気の目標も夢ではない」と言い切る。

「黎明期のコンピュータは、CPU、OS、ミドルウェア、ネットワーク、ストレージなど主要な構成要素が、上から下までIBMならIBMのすべて独自の製品群で固められていた。ところが今では、CPUはインテル、OSはマイクロソフト、ミドルウェアはオラクル、ネットワークはシスコなど、それぞれの階層でメインプレーヤーがいる。ストレージ分野でも同じで、コンピュータ本体とは違うプレーヤーが市場の主導権を握る」と分析。

 NAS製品をSANに対応させる手法で、SAN市場に参入した同社だが、SAN領域において本格的に売り上げが立ち始めるのは来年度(04年4月期)以降である。iSCSI製品が加わるのも来年以降だ。

「01年度をピークに売上高は伸び悩んでいるものの、03年度以降は、新規商材の拡販も相まって、徐々に最盛期の勢いを取り戻すだろう」と手応えを感じる。

 NASとSANの統合製品の販売では、伊藤忠テクノサイエンス、兼松エレクトロニクス、日商エレクトロニクス、ネクストコム、丸紅ソリューション、NTTPCコミュニケーションズ、日立製作所、富士通などが取り扱いを表明した。
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