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シービヨンド EAIツールの売り込み強化

2002/11/18 16:37

週刊BCN 2002年11月18日vol.966掲載

 商談の主導権を握るにはEAI(企業システムの統合=エンタープライズ・アプリケーション・インテグレーション)の導入が最も効果的――。EAIベンダーのシービヨンド・テクノロジー・コーポレーションの広本麻理社長は、EAIツールの重要性を強調する。

システム統合で強み発揮

 EAIとは基幹業務システム(ERP)や顧客情報管理(CRM)など、異なる業務システムのデータをつなぎ合わせるツール。同ツールを使わない場合、個別の業務システムを手作業で結びつけてデータの連携を図る必要があった。EAIツールを導入すれば、各業務システムはEAIツールの“つなぎ口”だけを意識すれば、複数のシステム同士で統合的にデータ連携ができるようになる。

 広本社長は、「情報システムの再構築では、おおよそ予算の10%をデータ連携に充てるケースが多い。システム販社がこの部分を手作業でつなぎ込むことは可能だが、それでは1回限りの商談で終わってしまい、経続性に欠ける。同じ予算でもEAIツールを売り込めば、これが顧客の情報システムの基盤となり、今後の商談の主導権を握れる」と訴える。

 業務アプリケーションとの連携では、XMLを使ったウェブサービスが注目を集めているが、この点については、「大きな企業になればなるほど、レガシーシステムの比重が大きい。このため、基幹業務を含めてシステムを統合するEAIツールの需要は必ず残る」と話す。

 北米市場のIT投資減退により、今年度(02年12月期)の世界市場における売上高は、前年度比約3割減の約180億円にとどまる見通し。

 だが、「企業の情報システム刷新では、必ず業務システムのデータを連携させる需要が発生する。来年度、第3四半期までには黒字化する」と、EAIを軸に再成長を目指す。
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