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東レ 液晶モニタ向けフィルタ好調

2002/11/04 16:37

週刊BCN 2002年11月04日vol.964掲載

 東レ(榊原定征社長)の液晶フィルタが学校・官公庁向けに好調な売れ行きを示している。学校パソコンの新規導入のうち、フィルタの装着率は約6割を占め、このうち東レのシェアは約半分に達するという(同社調べ)。官公庁の装着率は2-3割と低いものの、学校同様、半分のシェアを獲る。

 昨年6月から再生プラスチックの使用率を重量比で60%に高めた「グリーン調達」適合品のフィルタ製品を増やしてきたことが、同市場における商談を有利に進める原動力になった。今年度(03年3月期)の出荷枚数は、前年度比10%増の25万枚を目指す。

 CRT(ブラウン管)用フィルタ需要がピークに達した98年における同社の年間出荷枚数35万枚に比べれば、大きく目減りしたものの、学校・官公庁市場では、完全に足場を固めた。市場別の出荷比率は、学校・官公庁向けが6割を占めるのに対し、民間企業は4割にとどまる。

 同社オプティカルフィルター販売課の垣内博善課長は、「年間10%増で液晶フィルタ事業を大きくするには、民間企業の市場開拓が不可欠。液晶モニタはCRTに比べて目に優しいが、それでもフィルタを装着すれば、さらに見やすくなり、作業効率が高まる。今後、液晶フィルタの効用を、科学的、具体的な数値で示し、投資対効果をより明確にすることで、民間企業の需要促進を狙う」と話す。
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