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インスパイア IT業界との接点増大
2002/11/04 16:37
週刊BCN 2002年11月04日vol.964掲載
コンサルティングで方向転換も
「この2年でIT業界は、オールドエコノミーのひとつになった。十分に投資対象となり得る」――。マイクロソフト日本法人の社長を退任し、現在はコンサルティング業務などを行うインスパイアを率いる成毛眞社長が、再びIT業界との接点を深める可能性を示唆している。設立時点では、「コンサルティングの対象は東証一部上場のオールドエコノミー。IT業界に魅力は感じないので、コンサルティングの対象にはしない」とIT業界絶縁宣言を行っていた。しかし最近では、「この2年で状況は変わった。IT業界も、アパレル、繊維、自動車などの業種と同様、オールドエコノミーのひとつといっていいのではないか」と発言のニュアンスが大きく変化した。さらに、「IT業界には制度疲労が目立つ。それは売り上げをあげるためのフィロソフィーが依然として変わっていないから。ひとつの停滞期に入ったのではないか」と問題点を指摘。ユーザー企業側のITに対する認識も、「ITとは何か、きちんと理解している層が大企業の経営者になってくることで、論理の再構築の時期に入った」と分析する。
ただし、「本格的な変化が起きるまでにはまだ5年程度時間がかかる」と、本格的に手がけるのはまだ少し先になるとの見通しも。だが、今年5月にミロク情報システムの社外取締役となるなど、IT業界との接点が少しずつ増えてきているのも確か。「ミロクに関しては、投資などは一切行う予定がない」とはいうものの、IT業界との関わりが徐々に増えてきていることは確かなようだ。
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