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パソコン以外でも勢力を拡大 サン、IBMがLinuxで攻勢
2002/10/07 16:32
週刊BCN 2002年10月07日vol.960掲載
サンはこのほど、Linux搭載パソコンの開発計画を明らかにした。同パソコンにはLinuxのほか、ウェブブラウザのMozilla、事務ソフトスイートのOpenOfficeなどが搭載され、価格は同様の機能をもつウィンドウズ搭載機の3分の1程度になるという。
ウィンドウズ機の全機能を必要としないコールセンターや学校向けの一括納入を目指す。Linux機は個人の設定を記録するJavaスマートカード対応で、どのパソコンでもカードを差し込むだけで自分好みの設定が反映され、自分のパソコンとして使用できるのが特徴。来年中の発売を目指している。
IBMは、映画館チェーン大手のリーガル・エンタテイメント・グループから映画館内の6200の売店向けのLinux搭載キャッシュレジスタの注文を受けたと発表した。また、ブラジルの小売店チェーン大手カサス・バヒアも320店舗に1500台のLinuxレジスタを導入する計画。キャッシュレジスタやPOSシステムはセキュリティがとくに重視されるため、Linuxへの期待が高く、既に市場は半分近くがLinux搭載機といわれる。
一方、Linux販売・保守大手の米レッド・ハットは、ワークステーション向けのLinuxの開発を進めていることを明らかにした。既にLinuxサーバーを導入した金融機関などからの要請を受けたもので、ウィンドウズのセキュリティやライセンスプログラムへの不満からLinuxへの期待が高まっているという。
Linuxをサーバー以外の機器に搭載する動きは過去にもあった。しかしユーザーのウィンドウズに対する信頼は厚く、米デルコンピュータはLinuxをプリインストールしたパソコンの販売を打ち切ったほか、Linux専門のイーゼル社は倒産の憂き目に逢っている。
しかし、今回サンなどの大手メーカーが本腰を入れ始めたことはマイクロソフトにとって大きな脅威のようで、スティーブ・バルマー社長は英ロンドンで行った講演のなかで、「(これまでの競合他社のように)Linuxを破産に追い込むこともできない。価格競争もできない。Linux以上に優れたソフトを開発し続けるしかない」と語っている。
米ペンシルベニア大学ワートンスクールは、Linuxがサーバー以外の市場でもシェアを伸ばすためには、より使いやすく改良することに加え、十分なマーケティングが必要と分析。その上で「すぐにウィンドウズに取って代わることはないが、今後シェアを着実に伸ばす可能性は十分にある」と結論付けている。(湯川鶴章)
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