ニュース

SNシステムズ ゲームソフト開発に投資

2002/09/30 16:29

週刊BCN 2002年09月30日vol.959掲載

年間5-10件をめどに

 英ゲーム制作ツール開発のSNシステムズが、国内の新作ゲームの発掘に力を入れている。ゲーム専門の投資会社スタート!ゲームズ社(英ロンドン)と提携、有望なゲーム原案に対し、6か月間の開発資金にあたる3000-5000万円を投資する。すでに査定を始めており、今後1年間に5-10件程度を投資する。

 SNシステムズ経営企画担当役員(日本・アジア担当)の大野智弘事業開発部長は、「国内には約1000社のゲーム開発会社がある。その大半は下請けや孫請け会社で、携帯用の簡易型ゲームなどを制作しているところが中心。だが、これらの企業のなかには、優れた技術と発想をもっているところが非常に多い」と、投資理由を話す。

 同社はゲーム制作ツール専門の企業であり、「今後もこの領域から踏み出すことはない」という。欧米では、ゲーム制作ツール市場で65-75%のシェアをもつが、ゲーム機メーカーが強い国内でのシェアは15%。

 大野部長は、「投資案件のなかから将来“ヒット作”が出て、さらにこのヒット作が『SNシステムズのツールで制作した』と宣伝できれば、日本国内でのシェアは飛躍的に伸びる」と、ゲーム業界特有の“連鎖反応”に期待を寄せる。

 一方、投資会社のスタート!ゲームズ社は、製品化後、投資したゲームソフトの販売本数に応じた割戻金(投資の見返り金)を得る。ヒット作が誕生すれば、SNシステムズのシェアも拡大し、スタート!ゲームズ社も投資のリターンを得られる。

 国内でヒット作が出れば、欧米市場向けに手直しをしたのち、輸出販売の支援も手がける。逆に海外での投資案件がヒット作となれば、国内のゲームメーカーに手直しを委託し、日本向けの拡販につなげる。「ゲームは、キャラクターデザインなど、当該地域のテイストに合わせないと、売れるべきものも、売れなくなる」(大野部長)という性質がある。
  • 1