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NECカスタムテクニカ SCM、9月上旬に稼動
2002/09/02 16:30
週刊BCN 2002年09月02日vol.955掲載
工場と販売会社を直結
NECカスタムテクニカは、パソコン本体の生産体制強化に向けて、SCM(サプライチェーンマネジメント)システムを9月上旬から稼動する。同システムにより、パソコン本体の生産工場と販売会社のシステムを直結し、リアルタイムで販売状況を把握、迅速な生産・出荷につなげることで過剰在庫を防ぐ。生産体制の強化は、パソコンの生産コスト削減と新製品の初回出荷数を増やすことで、販売の機会損失を防ぐことが狙い。また、SCM導入に先立ち、中国の生産会社5-6社と提携。今後は、10%程度の中国生産比率を約70%まで引き上げる。9月上旬に稼動するSCMシステムでは、工場と販売会社を直結し、実売情報や流通在庫など各種データを工場内で瞬時に把握できる。適正な生産数量を割り出し、週末に売れた製品を次の週末までに出荷。売れ筋モデルの販売機会損失を防ぐ。来年3月までには、販売台数を把握するだけなく、売上高データや販売データに基づいた市場予測システムも追加する。
池田貞信執行役員は、「SCMシステムの構築によって、コスト削減に加え、リアルタイムの生産で過剰在庫を防ぐことができる」と話す。今回のSCM構築については、昨年9月からシステム導入に関するプロジェクトをNEC本体と共同で立ち上げたという。「パソコン市場が成長している時期は、安全在庫(流通在庫)をもっていたとしても過剰在庫になりにくかった。だが、今のように市場が低迷しているときは、いかに在庫をもたずに売れ筋製品を提供できるかがカギとなる」と強調する。
今回のシステム投資額は約30億円。「従来までは、販売の機会損失や棚卸在庫などが収益を下げる要因となっていた。だが、SCMシステムを導入することで、こうした課題が解決できる。2-3年後には、40-50億円のコストが削減でき、十分な投資効果が図れるだろう」と分析する。国内パソコン市場でのシェアについては、「売れ筋製品を出荷することが重要となるため、現在のシェアを維持しながら、確実に収益をあげることに徹底する」としている。また、SCMシステム構築と同時に中国での生産を強化。中国の生産会社5-6社と提携した。
今後は、パソコンの量産は中国で行い、山形県米沢市の国内生産拠点はコア技術の開発やBTOパソコン生産拠点として位置付ける。池田執行役員は、「生産コストの削減には、中国での生産を強化することが重要だ」と話す。将来的には、現在1割程度の中国生産を約7割まで引き上げていく。「新製品の発売は初回出荷が肝心。そのため、中国の生産会社と米沢事業場が共同で生産することにも取り組む」という。
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